5月27日から6月1日まで、世界保健機関(WHO)は第77回年次総会を開催した。

この総会でパンデミック協定と国際保健規則(IHR)改訂が審議された。

パンデミック協定は1年延長となったが、IHR改正は合意したと発表されている。

 

日本WHO協会がホームページには、6月3日付けで国際保健規則(IHR)の改正内容が公表されている。

世界保健総会(6月1日) : 国際保健規則 (IHR) (2005年) の改正案合意、パンデミック協定の交渉延長など数件を採択 | 公益社団法人 日本WHO協会 (japan-who.or.jp)

 

林千勝氏の動画を視聴すると、最終日に突然始まった5分しかないA委員会で改正が決まった。

このやり方を、林氏は「ずるい」「いかさま」と指摘する。

 

 

 

■ 経過

1. 5月28日(火曜日)
A委員会を開催。
参加した国のうちテドロス(WHO事務局長)派は62カ国。
何も決まらずに持ち改訂越しになった。

IHR一部改訂を拒否したスロバキアは、この日のA委員会で欠席・棄権ではなく反対票を入れることを事前に表明していた。

このためテドロスは、スロバキアの首相銃撃事件が発生した15日の2,3日前から、スロバキアを説得していた。


A委員会で反対を表明した国 (タイムスタンプ 1:36)
ロシア、ベルラーシ、アルゼンチン、パキスタ、エジプト、ウガンダ、バハマ、ポルトガル、英国


2. 29日
前日のA委員会で起草委員会をやろうということになりそれが開催された。

しかし、それは秘密会議になった。


3. 31日
再びA委員会が開かれたが、検討中ということでほとんど何も決まらなかった。


4. 6月1日(総会日程の最終日、通常ならこの日は閉会儀式だけを行う)
① 現地時間の夜の9時(日本時間は午前4時)というトンテモない時間に突然、A委員会が始まった。
出席は加盟国数の3分の1ぐらいしかいなかった。
議長は、IHR改定案・パンデミック協定案を直ぐに本会議に移行させることを告げた。

② 本会議…4:07から5:15
議長は賛否を数えずに「異議ないですね」と確認をとるだけででIHR改定の決定を宣言した。
賛成を表明した国は37カ国にすぎない。