愛について、東京(1993) | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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柳町光男監督の90年代の東京に住む中国人留学生を描いた映画

 

改名前の黒沢あすか(当時岡坂)が体当たりの演技をしている

 

 

この作品の見どころはズバリ、中年ヤクザの藤岡弘である!

 

 

「愛について、東京」

 

 

 

 

1993年公開 / 113分 / 日本 (米題:About love TOKYO)

 

監督/脚本    柳町光男
製作    荻野正昭
製作総指揮    田中穣
音楽    立川直樹/溝口肇
撮影    安藤庄平
編集    小川信夫
配給    パイオニアLDC / キネマ旬報社

 

キャスト

ウー・シャオトン/岡坂あすか(現:黒沢あすか)/戸川純/今井雅之/宮下順子/藤岡弘/上田耕一/オー・ヤン他

 

東京を舞台に、中国人留学生と日本育ちの中国人少女、パチンコ店を経営する元ヤクザの奇妙な三角関係を描く。東京。郊外のと畜場でアルバイトしながら日本語学校に通う中国人留学生・方純。仲間とイカサマパチンコで儲けた金で料亭で豪遊。そこで働く中国人少女・アイリンと知り合う。ある時、方純は、今度はアイリンも誘ってイカサマパチンコを行うが、元ヤクザの店員・遠藤に見つかってしまう。遠藤は10万円を要求するが、払えないと分かるとアイリンを紹介するよう迫る……。

(allcinemaより抜粋)

 

 

Wikipedia:愛について、東京

 

*****

 

 

本日は90年代の日本映画でございます

 

監督は「十九歳の地図」や「さらば愛しき大地」などヒリヒリした作品を撮られている柳町光男

 

前作日米香港合作の「チャイナシャドー」での中国への関心を抱き今作を撮ったとのことですが

 

「チャイナシャドー」は話題でしたので覚えていましたが「愛について、東京」は全く記憶にありませんでしたので今回が初見でございます

 

 

では早速、

 

 

 

冒頭、とある団体からの苦情に対しお詫びと、その個所を編集したことの文面から始まり、

 

牛肉加工業の、と殺シーンからいきなり始まる

 

監督の作品では「さらば愛しき大地」でも鶏のシーンがあるが、生きることの残酷さを表現しているシーンと感じられる

 

そこでアルバイトをする主人公の留学生、方純=ウー・シャオトン

 

 

 

大林宣彦監督の「北京的西瓜」と同様、まだ貧しかった時代の中国の留学生の生活が見うけられる

 

共同の下宿みたいな安アパートにみんなで住みコミュニティを作っている

 

 

 

アルバイトだけでは足りないからパチンコ屋でゴト行為(不正)をして稼いでいる

 

稼いだ金で仲間と食事に行くとそこでバイトしているアイリンに会い、二人は仲良くなる

 

 

 

 

アイリンは親が上海の人だが本人は日本生まれで上海には行ったことがない

 

彼女は彼女で東京でしたたかに生きている

 

 

 

ある日パチンコ屋でゴト行為がオーナーでヤクザの遠藤=藤岡弘!にみつかる

 

藤岡は警察に言わない代わりに一緒にいた女(アイリン)を紹介しろと交渉にでる

 

警察に連れていかれると方純は強制送還になるため泣く泣く条件を呑むが、

 

その代わりパチンコの出る台を教えろと逆に藤岡に交渉してきて、藤岡はそんな方純を気に入ったのか教えることにする

 

 

この遠藤というヤクザを藤岡氏が演じたことで、この作品の物語の刺々しさが丸くなっているように感じる

 

この遠藤を、遠藤憲一さんや椎名桔平あたりが演じていたらイメージがだいぶ変わっていただろう

 

根っからのヒーローの藤岡氏の汚れ役という違和感が

 

非常に面白く観ることが出来る

 

 

 

なにせ藤岡氏の演技のクセが凄い(^^;

 

演じている状況をつい口から洩れている藤岡氏w

 

「どうした?泣いているのか?」とか「どうした、言ってることが判らないぞ?」とかww

 

そんなニュアンスの言葉を発する

 

またパチンコ店の監視カメラを見ながらダンベルを振り回し筋トレww

 

 

最高なんですけど(^^)

 

 

 

そんな彼には誰にも言えない秘密(弱み)があり、

 

それをアイリンから聞いた方純は大笑い

 

あんな怖いヤクザの遠藤が人間的に俺より劣っていると思う方純

 

 

アイリンと方純は、

 

遠藤に秘密に会っていたのだがそれが見つかり・・・

 

 

 

と、お話のほうはここまで。

 

 

 

この作品ではいろんな人たちが悩み、この東京で暮らしている

 

それは人種差別にも見て取れるが人それぞれのエゴがぶつかり合うことで起きてたりするので、

 

意図的に作品は「中国人は」とか「日本はこうだ」とか出てくるが

 

国が違うからというわけではない

 

なじめずに国に帰る者、壊れてしまう者がいたり、うまく生きている外国人もいる。。

 

「中国へ帰ろう」というアイリン

 

「帰らない」という方純。

 

「ここは金がすべてだ」と嘯く。

 

 

ヤクザの藤岡氏のほうがピュアに映る。

 

 

しかし、作品の終わりは前向きな終わり方をしており救われる

 

幾分かマイルドに感じるのは時代のせいかもしくは藤岡さんのおかげなのか

 

 

この頃の実生活の藤岡さんは

 

1度目の結婚が破局を迎え(1990)、2年ほど休業してまた再活動をし始めた時期の出演作となり、

 

心機一転、汚れ役を演じてみたところだったのかもしれません

 

離婚という私生活とも役的にダブっているのかもしれません(全くの憶測ではありますが)

 

 

そして子役デビューの黒沢あすかの脱ぎっぷりのよさ

 

独特のオーラを持つ女優さんです

 

 

 

あとね、

 

当時のパチンコの1発台

 

 

 

「ニューモンロー」

 

この頃は大当たりが出ると1発大金ゲットの頃で

 

博打性の高い台が多い頃でしたね

 

この後CR機が登場するんでしたかね。

 

私が遊んでいたのはこれより少し前のヒコウキ台とか羽根物と言われている台で遊んでいましたね

 

こちらもちょっと懐かしかったですな。

 

ちょっとまだバブルの臭いの残っている90年代初頭の日本でございました。

 

 

 

いまのご時世の日本の物価が安いと、

 

外人だらけの街を観るとね

 

確実に時代が変わったなと思います。

 

 

 

 

そんなところでお仕舞いです

 

 

では。