ある男(2022) | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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おきにいり映画、 地元鹿児島のこと、 70年代、80年代のおもしろかったこと、 
趣味の話、 最近の出来事など。。

平野啓一郎原作、ベストセラー小説の映画化

 

監督の石川慶は「愚行録」に続き妻夫木聡とタッグを組み、

 

第46回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む8部門を受賞する

 

 

 

 

 

「ある男」

 

 

 

 

 

 

 

 

2022年公開 / 121分 / 日本 (米題:A MAN)

 

監督    石川慶
脚本    向井康介
原作    平野啓一郎
製作    田渕みのり/秋田周平
音楽    Cicada
撮影    近藤龍人(J.S.C.)
編集    石川慶
制作会社    松竹撮影所
製作会社    「ある男」製作委員会
配給    松竹

キャスト
妻夫木聡/安藤サクラ/窪田正孝/清野菜名/眞島秀和/小籔千豊/坂元愛登/山口美也子/きたろう/カトウシンスケ/河合優実/でんでん/仲野太賀/真木よう子/柄本明他

 

芥川賞作家・平野啓一郎の同名ベストセラーを「蜜蜂と遠雷」「Arc アーク」の石川慶監督が映画化したヒューマン・ミステリー。夫が素性を偽っていたことを死後に知った女性からの依頼でその男の身元調査に乗り出した弁護士が、少しずつ男の正体とその理由に迫っていくさまを、切なくも情感あふれる筆致で描き出す。主演は「悪人」「浅田家!」の妻夫木聡、共演に安藤サクラ、窪田正孝。
 弁護士の城戸は、かつて離婚調停を請け負ったことのある女性・谷口里枝から、亡くなった夫「大祐」の身元調査をしてほしいと奇妙な依頼を受ける。離婚後、子どもを連れて故郷に戻った里枝は、そこで「大祐」と出会い再婚し、新たに生まれた子どもと家族4人で幸せに暮らしていた。ところがある日、「大祐」が不慮の事故で命を落とすと、知らせを受けてやって来た大祐の兄によって亡くなった夫が大祐とはまったくの別人であることが判明したのだった。里枝が愛した夫はいったい誰で、なぜ別人として生きなければならなかったのか、その謎を調べ始める城戸だったが…。

(allcinemaより抜粋)

 

オフィシャルHP

 

 

 

Wikipedia:ある男

 

 

*****

 

ではでは。

 

本日は新しめの作品です

 

 

配信にて鑑賞

 

 

この監督さんと主演の妻夫木さんは「愚行録」、そしてWOWOWのドラマ「イノセントデイズ」と仕事されていますが

 

今回の作品もテイストが「愚行録」に似ているのもあり、満を持しての再タッグだったのかもしれません

 

 

今作は

 

演技の上手い役者がそろっているなと思っていましたが

 

なるべく素に近い演技をされているように思えます。

 

つまりはリアリティのある演技をされているように感じられました。

 

 

そんな中でも、安藤サクラさん

 

 

実際素でこんな人いるよなと

 

思わせるなりきり度。

 

しかししっかり存在感を残すというね

 

素晴らしかったです。

 

 

彼女=里枝=安藤サクラは

 

宮崎県西都市の山に囲まれた街に住んでいて、実家の小さな文房具店の店番をしている

 

誰もいない店の中で

 

彼女は涙ぐんでいる

 

 

この涙は劇中、明かされない

 

しかし彼女には過去に何かあったんだろうと思わせる

 

 

そこへ見知らぬ若い男が買い物にくる

 

 

 

彼も過去になにかありそうだ

 

 

2人は惹かれ合い

 

一緒になる

 

 

 

 

 

林業で働く「彼」は事故により死んでしまう

 

「彼」の身内である兄が

 

葬儀に姿を現すものの

 

遺影の顔を見るなり「弟じゃない」という

 

谷口大祐を名乗る男は

 

全くの別人と判明する。。

 

 

本当の夫は何者なのか、

 

以前お世話になった弁護士=城戸章良=妻夫木聡に依頼する

 

 

 

 

妻夫木氏は

 

 

解りやすい演技を極力控えているかのように思える

 

おまけに

 

顔に感情の出やすいシーンでは

 

感情の読み取りずらい横顔からのアングルで撮っていたりする

 

 

 

この作品自体のテーマとも感じられる

 

人に対しての不信感、人の本性について

 

 

目の前にいる人は何者なのかということを

 

感情をだしきらないことや、表情をみせないことで

 

何を考えているんだと

 

読み取りづらく意図的にしているように感じる

 

 

その他の役柄も

 

少しコミュ障な人が多い為、人格がおぼろげにも感じるが

 

妻夫木氏ほどわかりにくくはない。

 

 

 

まあ、

 

 

考えすぎかもしれませんが

 

そのように感じられます

 

 

 

このお話は題材的にはかなり面白く感じますが

 

映画としては正直なところイマイチ感がある

 

 

一つは他人の感情をぼかすことによって

 

作品自体にメリハリが効かない感じがする

 

例えば

 

安藤サクラと窪田正孝がいい仲になったかと思うと

 

いきなり2人の子供のできた4年後になる

 

そうと思えば窪田正孝が事故に遭った後も

 

すぐに葬式になる

 

 

これは端折り過ぎである。

 

これでは感情移入できない

 

 

この淡々さももしかすると意図的なのかもしれないが

 

さすがにこれでは追いつかない

 

 

また、

 

事故に対しても少し安直すぎる気がする

 

これは演出面。

 

やはり事故に対して

 

「いやこれよけれるだろ」と

 

思わせるといけないわけで

 

そのような演出はいくらでも出来たはずである

 

 

まだ言うと、

 

窪田氏の顔の傷

 

これもいくらでもエピソードは膨らませられるではと思う

 

 

 

役者さんたちはみな良い演技をされていたので

 

そちらをメインに楽しむのも良いかなと思います。

 

終盤からオチは良いと思います。

 

 

 

あとは柄本明さんの怪演でしょうか

 

 

 

 

インテリの皮を被ったままの妻夫木氏をあざ笑うかのような

 

インパクトのある演技。

 

淡々と進む物語の中で

 

ここが素晴らしいスパイスとなっています。

 

 

それから子役の子たちがよいでしたね

 

少年になった息子の悠人くん演じる坂元愛登くん

 

 

 

 

この子もいいでした。

 

 

 

 

なんか、

 

 

 

ここ最近たまたま「男はつらいよ」を何話か見たところでしたが

 

人とのつながり方って今はあの頃とまた全然違ってるなと

 

思っちゃったりします

 

 

 

しかし「男はつらいよ」も

 

ある時代に人とのつながりが変わる話があります。

 

それは山田洋次監督が確信的にそうしているのですが、

 

 

この辺の話しもいつかやりたいですね。

 

 

 

それでは終わります

 

 

では。