化石の森(1973) | Bokuと映画  Chackn'sBlog

Bokuと映画  Chackn'sBlog

おきにいり映画、 地元鹿児島のこと、 70年代、80年代のおもしろかったこと、 
趣味の話、 最近の出来事など。。

萩原健一主演の篠田正浩監督作品

 

70年代らしいヘビーな鬱ドラマ

 

俳優陣も豪華です。

 

 

「化石の森」

 

 

 

 

1973年公開 / 118分 / 日本 (米題:The Petrified Forest)

 

監督 篠田正浩
製作 貝山知弘
原作 石原慎太郎
脚本 山田信夫
撮影 岡崎宏三
美術 栗津潔
編集 山地早智子
音楽 武満徹

製作 東京映画

配給 東宝

 

キャスト

萩原健一/二宮さよ子/八木昌子/杉村春子/田中明夫/浜田寅彦/水島弘/岩下志麻/堀内正美/日下武史/亀田秀紀/坂上和子他

 

現代の青春と、母と子の血の問題をとりあげながら、人間の心の中の神と獣性を追求する。原作は石原慎太郎の同名小説。脚本は「陽は沈み陽は昇る」の山田信夫、監督は「札幌オリンピック」の篠田正浩、撮影は「無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ」の岡崎宏三がそれぞれ担当。

(moviewalkerより抜粋)

 

 

*****

 

今作は今回が初鑑賞でした。

 

この作品もかなり前から面白いよと勧められていた作品でしたが

 

いつかと思いながら手の出ない作品の一つでした

 

 

この作品は東宝の映画ではありますが

 

篠田正浩監督だったり野村芳太郎だったりのいわゆる松竹系のヘビーな内容のドラマが

 

小学生で「鬼畜」を鑑賞してトラウマになったせいか

 

どうも苦手なところがありまして、

 

二の足を踏んでしまいます。

 

 

「鬼畜」はずっと印象に残っている作品の一つではありますが

 

観返すことのできないトラウマ映画ですし、

 

緒形拳さんのシリアスな作品「復讐するは我にあり」とかも顔が怖くてダメなんです

 

 

まあ、しかし、

 

東宝映画だし雰囲気的にピカレスクロマン的な感じかな?

 

なんてやっと観てみようか思い立ったわけです。

 

 

すると、、

 

 

まあ、なんてことでしょう♪

 

 

 

これがめちゃくちゃ面白い。

 

 

面白いと言うと語弊も生むかもしれません。

 

正直これもやばい鬱映画です。

 

トラウマ必至の映像も結構あるかと思われますが

 

それが振り切りすぎてて

 

逆に笑えて来るぐらいなのです

 

やはりやり過ぎちゃうくらいだと

 

逆に「凄い」と感心してしまうということでしょうか

 

結構楽しく観させてもらいました。

 

 

 

主人公、治夫=萩原健一は医者の卵ではあるが

 

医療について医師の教授と意見の相違から憤っていた

 

 

 

 

目の手術をした子供ケンイチは目は見えるようになったが逆に?耳が聞こえなくなる

 

しかし、様子を見ていきましょうと病院を出されることになる

 

それを見過ごせない治夫

 

 

 

そんな時、偶然田舎の同級生だった英子=二宮さよ子と出会う

 

 

 

 

すぐに恋仲となるが

 

英子の働く理容店の主人の女にされているようで

 

 

 

 

英子はこの主人を殺したいと治夫に言う。

 

 

 

 

ベットの中でそれを聞いた治夫

 

 

一緒に殺そうと計画を立てる

 

 

 

 

 

 

英子の念願かない主人は死んでしまう

 

 

しかし治夫は医学の道を目指しながら殺した罪に悩まされる

 

 

 

 

治夫が悩む中、

 

列車にひかれそうになる退院したケンイチくんと遭遇し

 

助けることに成功

 

 

 

 

ケンイチくんは徐々におかしな行動をとるようになる

 

 

そして、

 

ケンイチくんは再び目も見えなくなる

 

 

 

 

 

 

この家族、

 

なにもここまでするか?ってほどの地獄絵図を展開させていく

 

 

 

乱暴者の父親に日下武史

 

狂気の演技を見せている

 

 

治夫はケンイチくんとその母、良子を気にしながら

 

 

 

 

 

 

次第に母と関係を持つようになる

 

 

 

 

魔よけのようないわゆる宗教のようなところに

 

ケンイチを連れていく

 

治夫は外で待っていると

 

 

 

岸田森登場!

 

 

 

 

ここの問答のような二人の会話

 

医学について

 

そして生きること、往生することについて問い合うなか、

 

治夫の悩み、人を殺してしまったことについても白状するが答えは出ぬまま終盤へ向かう

 

 

 

 

 

川に捨てられた人形がこの異質さを印象付ける

 

 

 

治夫はずっと悩んだまま

 

最後も失意に覆われ

 

この映画は幕を閉じる

 

 

この映画にはもう一人キーパーソンがいる

 

それは治夫の母、多津子=杉村春子である

 

 

 

 

 

母と息子の関係

 

そして女のしたたかさ

 

名優ぞろいのキャスト陣の中、

 

ちょっと控えめに演じていた萩原さんだが

 

 

最後の杉村さんとの絡みで

 

急に爆発させる

 

それまで抑えたものがドッと出てきたように

 

 

 

 

 

まさにここまで取っていたように感情をあらわにさせる

 

錚々たる演者のなか、

 

最後に印象つけ持って行っちゃうところは

 

さすがショーケンと思っちゃいました。

 

 

正直、鬱な内容で暗いストーリーになりがちなのですが

 

役者の熱量と

 

篠田監督の演出で

 

怪作となった作品でしょう

 

 

そんなところで

 

 

本日は終わります

 

 

お次もちょっと

 

 

重めになりそうです(^^;

 

 

 

では。