TATTOO<刺青>あり(1982) | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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おきにいり映画、 地元鹿児島のこと、 70年代、80年代のおもしろかったこと、 
趣味の話、 最近の出来事など。。

ではでは、

 

前回に引き続き、実際の事件をもとに撮った映画のお話。

 

 

今回は日本での事件です。

 

実際の事件は1979年の三菱銀行人質事件。

 

私は当時小学生でしたが記憶に残っていますねえ。

 

犯人、梅川の写真がね、

 

 

当時も印象的でしたね。

 

 

映画はこちら、

 

「TATTOO<刺青>あり」!

 

 

 

 

1982年公開。

 

監督: 高橋伴明
脚本: 西岡琢也
製作: 井筒和幸
製作総指揮: 佐々木史朗
製作会社: 国際放映/高橋プロダクション/ATG
配給: ATG

 

キャスト

宇崎竜童/関根恵子/渡辺美佐子/太田あや子/矢吹二朗/下元史朗/ポール牧/戸井十月/泉谷しげる/原田芳雄/植木等/西川のりお/上方よしお/趙方豪/大杉漣/北野誠他
 

30歳までに何かデカいことをしてやる、と思いつづけ、ついには銀行を襲撃するまでに至ったひとりの男の軌跡を描いたドラマ。監督はピンク映画界の大御所・高橋伴明。少年院あがりで、20歳のときに“30歳になるまでに何かドデカいことをやったる!”と誓った竹田明夫。それまでの生活を一変させるため、パーマをかけ、胸に刺青を入れキャバレーのボーイになった。同じ店のナンバー・ワン・ホステスの三千代を強引にくどき同棲を始める……。

(allcinemaより抜粋)

 

*****

 

70年代にサングラスの人と言えば

 

宇崎竜童さんか松鶴家千とせって具合で

 

この事件の写真が出たころは私は小学生の頃でしたが、

 

宇崎竜童さんを連想させられました。

 

その後、82年にこの作品で映画化。

 

その時も「え?映画化されてなかったっけ」と

 

思わせるほど宇崎さんとリンクしていた者でした。

 

まあ、個人的な思い出話しですが(^^;

 

 

作品のほうはというと、、

 

その後、ビデオで鑑賞したのが初だったと思います。

 

正直、、主人公のヒモさ加減に好きになれないというか

 

嫌いな作品でした。

 

 

ただ、1シーンだけ、、

 

めちゃくちゃ印象に残っているシーンがあり、ずっと引っかかっている作品でもあります。

 

 

 

この雨の中の関根恵子のシーン。

 

このシーンの為だけにこの作品はあるんじゃないかとも思えるほどのシーン。

 

めちゃくちゃカッコよく、きれいで強い、

 

世界中のどんな名女優でも

 

このシーンの関根恵子にはかなわないと初めて見たときは思うほどでした。

 

 

その後、この作品が縁となり、

 

監督の高橋伴明と結婚し、仕事も高橋惠子として活動することになりますので、

 

関根恵子と監督のありったけの思いがこのシーンには込められているんじゃないかと感じます。

 

 

 

それで最近本当に久しぶりに鑑賞。

 

当時の街並みも相まってノスタルジックで良い作品に感じられるようになっています。

 

 

 

 

主人公の下衆っぷりは相変わらずで。。(^^;

 

 

 

関根さんのヤサグレ感と清楚な雰囲気のバランスも絶妙。

 

 

 

主人公の男は大ぼら吹きの自分勝手男。

 

いかにもヒモって男で、

 

私の知人にも似た奴がいたので

 

典型的なヒモ男なんだろう。

 

30までにどでかいことをするっていうのが口癖だったようで、

 

 

上の雨のシーンで

 

 

 

 

男は決定的な敗北を味わう。

 

 

 

そして、なんとしても「ドでかいこと」をやらなければという観念に追われる。

 

そして事件決行の当日、

 

男はこれまでの威勢はなくなり、

 

女友達に柄にもない優しい言葉をかけ、銀行へと向かう。

 

 

 

 

いざという時の人間の弱さ。

 

実はこんなにも深い映画だったのかということにいまさらながら気づく。

 

 

そして監督はロマンポルノで多数の作品を撮りこれが商業映画初作品。

 

やはり女の強さと弱さの塩梅が見事だ。

 

 

この作品でもう一人

 

素晴らしい女性がいた。

 

 

母役の渡辺美佐子さん。

 

 

 

母はいつまでも

 

息子の味方なんだと。

 

 

エンディング、、

 

駅で母との二人っきりのシーンには

 

思わず涙があふれた。。

 

 

 

その他では

 

植木等さんがチョイ役で登場。

 

 

この電気屋さんを見るだけで楽しいね。

 

 

 

それから、

 

本屋の主人の原田芳雄さん。

 

 

ATG作品の登場回数も多いのだが、

 

あらゆる監督の初作品にお顔を出しています。

 

生前のインタビューで若い監督さんと仕事するのが好きだみたいなニュアンスを言ってたような気がします。

(うろ覚えですみません)

 

 

その他では彫り師に泉谷しげるさん、

 

 

漫才ブームの頃でもあり、のりおよしお師匠、

 

ガキ帝国のケン役だった趙方豪さんに

 

電気屋の店員に北野誠。

 

この辺りは大阪が舞台だという雰囲気が出ており良い。

 

 

なお、この三菱銀行人質事件は

 

繊細な事件の流れがウィキペディアなどにも残されているが、

 

この作品では踏み込むまでの経過であり、事件の様子はほとんど映らない。

 

銀行強盗を題材にした映画作品は多いですが

 

同じ実際に起きた事件を題材にしたシドニー・ルメットの「狼たちの午後」が印象に残っています。

 

 

 

シドニー・ルメット作品は

 

やはり60~70年代の硬派な作品が良い。

 

 

次回はこれこそド硬派ルメット作品ってやつ、

 

上げてみましょう。

 

 

では。