どーもです。
ガメラシリーズもあとちょっととなりました。
この辺りになってくると
まさに子供向けとなってくるとでしょうが、、
侮ってはなりません!!
のちの平成ガメラシリーズ、エヴァンゲリオンの元ネタがギッシリつまった、
そして裏メッセージのある、
末期の大映において、渾身の作品でありました!!
「イカスぞガメラ!」
「ガメラ対大魔獣ジャイガー」!
1970年公開 米題: Gamera vs. Jiger
監督: 湯浅憲明
脚本: 高橋二三
製作: 永田秀雅
音楽: 菊池俊輔
製作: 大映
キャスト
高桑勉/ケリー・バリス/キャサリン・マーフィ/炎三四郎/大村崑/八代順子/平泉征他
シリーズ第6作。いきなりガメラマーチではじまるオープニングは、これまでの戦いのフラッシュバック。しかし万博とのタイアップで制作されたこの作品は、前の2作品よりも制作費がかけられ、町の中で行われる戦闘は大迫力。 敵方のジャイガーは正攻法の戦いではガメラにおよばないが、予想できない秘密兵器で次々ガメラを窮地に追い込む。これを救うのが2人の子供達。この作品の最も大きな特徴は“子供の味方”のガメラを、今度は子供が救うという点にある。一説にミクロの決死圏をモチーフにしたと言われるガメラ体内での冒険、大人達が対策に頭を抱えている中で次々にアイデアを出す所など、子供達にとっては心をくすぐられるシーンが盛り沢山の楽しい作品になっている。血を吸われたガメラが透明になったり、「超音波を武器にするジャイガーが低周波に弱いのは当然、これは寒いところに住むエスキモーが暑いところに弱いのと同じだ!」などという説を唱える博士など、万博を中心にしている割りには科学考証の無さが気になるが、制作費をかけたセットの甲斐もあり、楽しさの点でも“子供の味方4部作”の中で出色の出来と思われる。もちろん当時の映画に欠かせない“今のTVでは放映しにくいシーン”も忘れられてはいない。ガメラの体内にいるジャイガーの幼虫を説明するのに使われる“象の鼻に巣食う寄生虫”の資料映像は、映画を見に来た多くの子供達にその晩悪夢を見せたのではないだろうか。冒頭、時間をかけて万博の紹介をしている所などはタイアップならではの御愛敬だが、バイラス、ギロン、ジグラの3作品がいずれも宇宙をテーマにしているのに対して過去の文明を中心にすえたことで、ジャイガーの登場も比較的無理のないものに仕上がっているといえよう。なお、本作で「沢田圭介」を演じている炎三四郎は、のちに『仮面ライダーX』で「神敬介」を演ずる速水亮である。
(allcinemaより抜粋)
**ロビーカード**
併映: 透明剣士
*****
まずはこの同時上映でした「透明剣士」
アマゾンプライムのほうで鑑賞可能のようですが、まだ未見でございます。
それでは本題です。
まずは今回登場する怪獣のジャイガー。
けっこうなブサカワ怪獣です(^^)
で、正面からのお顔がね、
パグのような可愛さがあり(^^;
非常に好きな怪獣です(^^)
が、しかし、、
魔獣とウエスター島(イースター島のもじり?)で恐れられた
昭和ガメラシリーズで最強と呼ばれる強敵なのです!!
ガメラも3度戦い、
3度目にやっと勝利したのです。
それでは順を追っていきましょう!
まずはこの1970年、
大阪万博の年てございます。
過去、バルゴンに致命的なダメージをおった大阪でしたが驚異的な復興をし、
万博にこぎつけました。
その目玉となるウエスター島の遺跡、「悪魔の笛」を大阪に運ぼうとしたことから
この物語は始まります。
開催前の工事中の万博。
主人公の男の子の
お姉さんの恋人に、、
炎三四郎、
後のXライダー、速水亮さん!
相変わらずイケメンですなあ(^^)
主人公の少年二人
主人公の父ちゃんに前作に引き続き人気者の大村崑ちゃん登場。
お姉さまもバイラスに続き、八代順子さんが出演されています。
発掘を行っていたウエスター島では
ジャイガーの復活を阻止すべくガメラがやってきます。
ちょうどその時、
近くの火山が噴火し、本能からか好物のマグマへガメラが向かい
遺跡の「悪魔の笛」は持って行かれてしまいます。
で、魔獣復活!
ここではガメラの弱点をうまくついた頭脳的作戦でなんなくあしらいジャイガーの勝利
笛を追って大阪へ向います。
2度目は大阪で1度目の決戦。
例によって遊んどるようにも見えますが(^^;
今回はそれだけではないのです!
手足の吸盤でガメラを動けなくして、、
しっぽの針でなんとガメラの体内に寄生虫をぶっさす!!
この殺人フルコースにより
ガメラは生死をさまよいながら海へとヨタヨタと歩き出します。
この時のセットは臨海の工業地帯・・
この死への行進とも見えるこのシーン、
意図的にかなりの尺をここで取っており、
なにかを考えさせられます。
それは「ゴジラ対ヘドラ」の確信的長回しにも似たものがあり
万博開催の裏で
高度経済成長期の公害が話題となっていたことを詠んだのか、
それとも倒産寸前の大映の終末へのメッセージだったのか
このお子様映画の昭和ガメラには
似つかわしくないシーンであり
それゆえに印象に残る名シーンであります。
そのままガメラは海へと入る寸前で息絶え(仮死状態)ます。。。
これも名特撮シーン、スケルトンガメラ。
これはジャイガーの寄生虫により刺された腕と脳に血液が行かない為、透明になっているのでした。
ガメラのレントゲン写真。
肩口と肺のあたりに癌細胞に似た異物があるという。
この時の続くシーンがまた有名な象の回虫シーン
このシーンはグロ過ぎる為、意図的にモノクロにしたそうです。
このガメラの危機を救いに向かったのが
子供たちです(^^)
「ミクロの決死線」よろしく
ガメラの体内に小型潜水艦で入り
寄生している小ジャイガーを退治に向かいます!
・・その小ジャイガー、
親に似てこいつもブサカワ!
でも子供にはちょっと怖いかも!(^^;
でも偶然ながら退治することができ、
ジャイガーの弱点も知ることになります。
そして、
ジャイガーに万博を壊さないように足止めする作戦と
ガメラを蘇生させる両作戦を決行します。
このガメラを蘇生させるために
大阪中の電力をガメラへと送るという
エヴァンゲリオンの有名なヤシマ作戦の元ネタではと思わせる作戦を行い、
ガメラも復活します。
そして3度目の決戦。。
ガメラの設定はアトランティス大陸の古代生物という設定があり、
ジャイガーにはムー大陸の魔獣という設定があります。
1度目の戦いでガメラのウイークポイントをつく攻撃で足止めしたこともあり
この両怪獣は過去にも対戦したことがあるのではないかと思われ、
ガメラが最後にとどめを刺すには
「悪魔の笛」をわざわざ深海に探しに行き
それでとどめを刺します。
最期、死に絶えた(?)ジャイガーをガメラは放置せず
ウエスター島へとまた埋葬しに持ち去るのです。
この2怪獣の見えざるバックボーン。
これは平成ガメラの礎になっているのではないかと。
そして、最後の遺跡を使い、聖槍のように投げて刺す攻撃。
これはロンギヌスの槍にも思えてしまいます。
多分、
考えすぎではないかと(^^;
思ったりしますが、
しかし、
それだけこの作品からでてくるイマジネーションというのは
実に限りないものがある気がします。
色んなこの作品以降の怪獣映画やアニメ作品に
実は影響を与えていたのかもしれないね。
この万博の象徴である「太陽の塔」、
「人類の進歩と調和」をテーマとした万博の象徴
この向こう側で戦う古代怪獣の2体
それを見つめる人間たち。
この構図こそ
何気に出てくるシーンではなりますが、
実に意味深でもあり、
ガメラ映画に深いテーマを感じさせられるシーンであります。
まあ、
深堀りせずにも(^^;
単純に大阪万博に、
魅力たっぷりのブサカワ最強怪獣とのバトル、
子供たちのサイドストーリー、
子供向けを考慮しつつも、
非常に完成度の高い怪獣映画であります。
この頃は東宝特撮も「東宝チャンピオンまつり」の1つとして製作された時期であり
低予算ながら
ゴジラ作品唯一のファンタジー「ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃」(1969)に
それこそ異色で問題作の「ゴジラ対ヘドラ」(1971)のあった頃です。
アメリカでも低予算のアメリカンニューシネマが台頭していた頃。
皆、四苦八苦し映画と撮っていたこの時期、
そんななか王道の怪獣映画を作りつつ、
子供向けでありながらも脚本力でこれだけの完成度(裏メッセージ含む)の作品を撮った制作陣。
70年代の映画ってのは
やはり奥が深いのんよね(^^)
ではまた!!