前回のルパンで押井監督のことをちょいと書きましたんで
今日は押井守監督作品をやりましょう。
これを創った後、
監督は5年干されたといういわくつきの作品。
「天使のたまご」!
1985年OVA発売
製作: 徳間康快
企画: 山下辰巳/尾形英夫
原案: 押井守、天野喜孝
脚本/監督: 押井守
美術監督、レイアウト監修: 小林七郎
作画監督: 名倉靖博
キャラクターデザイン及び美術設定: 天野喜孝
音楽監督: 菅野由弘
音響監督:斯波重治
声の出演
根津甚八/兵藤まこ
ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう1つの世界。巨大な眼球を模し、中に複数の人型の彫像が鎮座する宗教の象徴のような機械仕掛けの太陽が海に沈み、世界は夜を迎える。
方舟の中の動物がすべて化石になった頃、忘れ去られた街で一人の少年と一人の少女が出会う。
(Wikipediaより抜粋)
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実はこの作品、昔から何十回も見てる作品。
ネット検索するといろんな考察があり、楽しいですよ。
私も色々、考察しながら最初の頃は観ていました。
しかし、
4,5回目くらいから考えるのも止め、
ただぼーっと
画面を無で観てるだけで癒しの作品となっていきました。
世界観からは廃墟の街だったり、
セリフも極力少なく、レイアウトの様式美にこだわってたり、アートな作風ですが、
水の音や、波紋の描写など、ヒーリング効果もあり、
時間も71分と短いので
ちょいとした気分転換にちょうど合ったのかもしれません。
それから、この画力。
髪の毛一本からのたなびき、
波紋のゆらゆら感、
配色の妙
美術的なセル画アニメでは最高峰ではないかと思われる画力です。
その美しさだけでも感嘆の声があがってしまうほど。
また考察では、聖書(キリスト)の話ではという論が一番当てはまるように思います。
それはあくまでも映画の中の描写に対しての中訳であり、物語の流れも聖書に近く進行するのだが
肉付けはそうであっても、根底は作者しかわかりません。
根底にある、作者がなぜ、聖書をこのように擬態させアニメに残したのか。
そんな風に考え出すと止まんなくなるので
ただぼーっと見るだけになってしまいました(^^;
何度も見るとどんどん不思議が増えてしまうので、
気になる人は一度見るのもいいかもね。
まず冒頭、
オープニングに幼子の両手が
大人の手に変わる。
大きな養分を根から取る「たまご」
レム催眠のように瞼がぴくぴくする。
夢の中なのか目覚めの前なのか、、
主人公の少年。
冒頭の手の人。
無表情の彼は手で感情を出しているっぽい。
機械仕掛けみたいな太陽(神)
格子の地面は後にも出てくる。
少女の目覚め。
ここまでがタイトル前。
他には
水の入ったガラス瓶
追われる魚
骨格
たまご
ふたりとも白髪であることだったり、
とっても意味深です。
声は根津甚八さんと兵藤まこさん。
根津さんの物静かな声もよいです。
配色は背景とはかなり違和感のある色使いをしているのも、異分子として二人をとらえてるのか。
少女がストールを羽織るときと羽織らないときは意図がありそうです。
おおまかな言いたいことは、細かく見なければわかる気がするので、
それでいいと思います。
人それぞれ感じるものがあるでしょうしね。
突き詰めるとね
沼ですからに
怖い作品だよ(^^;
最初は押井監督はライトな作品にしようと思っていたらしいが、
天野喜孝のデザインボードを見て、一気にイマジネーションが沸いたようでこのような作品になったとのこと。
しかし、
意味の解らん作品を作ってしまい、宮崎駿から怒られちゃいます。
後味もあんまいい作品でもない。。
自主映画やスポンサーがいるならならまだしも、
アニメージュと連動の商業作品だったのが駄目だったんでしょうねえ。
宮崎駿さんは
翌年、「天空の城ラピュタ」を公開されます。
聖書云々は別として
文明社会へのアンチテーゼなどは少し似ているのですが、
両極端な2作品でございますね(^^
好みはラピュタですが、
たまにボーっと見る作品は
この「天使のたまご」
それと「ボビーに首ったけ」ですかね。
どっちも時間短めなのがいいのかな(^^