この佇まい、見るからに使い込まれた表情。
無垢のオーク材で作られたダイニングテーブルと言われると、
「さぞ大きくて立派なのでしょう」と少し構えてしまうのですが。
1500×700と程よいサイズ
決して小さすぎず、大きすぎる事もない。まさに絶妙。
生活にピッタリのサイズって探すのとっても難しい。
だから、一度気に入った物は手放せないんです。簡単には代えられない。
早速修理の様子をご紹介していこうと思うのですが、その前に ひとつ。
この度のお客様とは素敵なご縁がありまして、
思いがけず偶然の再会を演出してしまったのでありました。
------------------ 実は私の父も長年インテリアの世界に生きております。
名古屋市八事の雲雀ヶ丘にお店を構え、引退するまでの25年あまり、その地で多くのお客様と出会い、素敵な家具とインテリアを御提供させて頂いておりました。
私がアンティーク家具の修復師となって日本に帰国してからは、新たな事業の良きアドバイザーでもあり、共にリストリーという名の船にのる仲間でもあります。
そして、今回のご依頼主であるお客様。
もう皆様お察しの通りでしょう、出張お見積りに出向いた先で、驚きました
父のお客様でもあったのです。
広いようで狭い名古屋ですので、
この様なサプライズも今後増えてくるのでは?ないですかね
さて、前置きが長くなりましたが。
アンティークダイニングテーブルの修理、ご紹介していきます。
まずは、家具再塗装の基本。
剥離作業で表面のコーティングを剥がしていきましょう
最終仕上げ目標はうづくり仕上げの塗膜なし、オイルフィニッシュです。
通常、うづくり仕上げ(表面のやわらかい部分を磨き削り、木目を際立たせ、陰影をはっきりとさせる仕上げ)はアンティーク家具の中でも無垢材のみで構成され、特にハードな使用目的で造られた物によく見られます。
今回の家具、触れた瞬間にこれはうづくりでいった方が良いと直観しました。
触れると指にぽこぽこと木目をなぞるように凸凹しているのがわかります。
家具の再塗装を頼むと通常は、剥離でこれまでのコーティングを剥がし、
サンディングで表面を削り取ります。
そのせいで、これまで際立っていた表面の凸凹も一緒に削り取ってしまうのです。
それでは、せっかくのアンティーク家具の風合いも殺してしまいます。
通常の剥離作業、サンディング作業の後、
表面を馬豚の毛でひたっすらにブラッシングしていきます。
なんどもなんども時間をかけて無心でブラシをかけ続けます
はっきりと力強い木目がこれまでにない「ハリ」と「表情」を際立たせます。
それまでの歴史を思い出すように、隠れていたキズや殴打点が顔を出します。
塗装のコーティング塗膜を作れば、いつの日かコーティング塗膜が剥がれていくでしょう。
日本のような寒暖の差が激しく、湿度調整が自然とはいかない家屋では
いつまでも美しく保つのは非常に困難です。
しかし、オイルフィニッシュはその点では素晴らしく、木になじむように浸透していき、適度な油分と艶を生み出します。
自然と呼吸し、塗膜を作らないのでひび割れを起こすこともない。
日々のメンテナンスを怠らなければいつまでも艶やかな状態で保てます
リストリーからお客様宅へお届けの朝、
落ち葉がかわいく、ちょこんと置いてパシャリ!
では、ビフォーアフターをご覧頂きましょう
実際、触ると凸凹をしっかり感じられる様に仕上げてあります。
これから50年、100年、木が朽ち果てるまで、直す手がある限り家具は生き続けます。
以上 アンティークダイニングテーブルのご紹介でした
今回は出張見積りから納品まで、お仕事以上にイタリア旅行のお話や美味しいエスプレッソ、
三者三様の血圧話(笑)で盛り上がり、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
お客様と接し、それぞれの物語、それぞれの家具に対する思いを聞く度に、
イギリス時代には味わえなかった「人とアンティーク家具の世界」を感じさせてもらっています。
ひとつも同じストーリーはないんです。楽しいですね~
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東京・名古屋を中心にこれまで全国のお客様にご利用頂いております。
(北は北海道,栃木,埼玉,横浜,長野,静岡,愛知,岐阜,三重,奈良,京都,大阪,神戸,和歌山,南は沖縄まで、たまに海外。)
アンティーク家具の修理・リメイクをお考えのお客様は是非リストリーへご相談ください!
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