レストア暦35年のプロが語るレストアラー養成講座 -7ページ目

ねじ切れて折れ込んだボルトを抜く方法


こんばんは、
レストア職人のSRです。


今日も寒かったですね。


こんな日は、
水研ぎするのが堪えます。


手先の感覚はなくなるし、
指先がヒビ割れしてきて
何かに当たると痛にが走ります。


シンナーを使えば沁みて飛び上がる
ほど痛いです。


そんな寒さと痛みに耐えながら
今日も現場で板金塗装をやってます。




それでは、今回は
ねじ切れて折れ込んだボルトを抜く方法
です。



旧車の部品を取外していると、
ネジが緩まなかったり、
ボルトがねじ切れてしまうことも
良くあることです。


そんな場合は、
いくつか方法が有ります。

一つは、
エキストラクターとか逆タップ
と呼ばれる下記のような道具があります。



これの逆タップの使い方は、
折れたボルトにドリルを使って開けた下穴に

エキストラクターを差込でネジを緩める
要領で回せば折れたボルトも緩めることが
出来る優れものです。



ただ、
ボルトのネジの直径が6mm以下だと
エキストラクターと呼ばれる逆タップを
使うのは難しいかも知れません。


それは、
ボルト径が小さいためエキストラクター
も細いものしか使えず、
逆タップが折れる可能性があります。


逆タップ折れ込むと焼きが入ってるので
普通のドリルのキリでは歯が立たないため
厄介なことになります。



また、
錆びたボルトはエキストラクターでも
緩まないことも多いです。


そんな場合には、
ボルトの径に合うドリルのキリで
折れたボルトの真ん中にネジの大きさに
適合する下穴を開け、
タップでネジを切り直します。


また、
ガストーチが使用できる場所の場合、


六角の頭が折れたボルトは
ナット側から下に出たボルト部分を
赤くなるまでガスのトーチで炙り、
バイスプライヤーで挟んで回せば
ほぼ、緩めることが出来ます。


折れていないボルトの場合も、
ナットから下に出てる部分をトーチで
炙りながらばワイヤーブラシでこすり
ナット部分も炙ってやれば、
多少錆びて固着していても緩んでくれます。



レストアしていてこんな状態の時に
試してみてください。


旧車で部品を外す時に起こるトラブル

こんばんは、
レストア職人のSRです。


今、
事務所の増築をしてるのですが、
ドアを付けるため壁を破ったので、
事務所の中が粉塵で大変な状態です。


いつまでこの状態が続くのやら・・・。
落ち着いて見積もりやお客さんとの
話も出来ませんが仕方ありません。



さて、今日は
部品の取外し時に起こるトラブル
についてです。



旧車の部品の分解で多いトラブルが、
ボルトが錆びて緩まないことや


Frフェンダーなどを締め付けている6mm程度の
ボルトを緩めるために回した瞬間に
ボルトがねじ切れてしまうことがあります。


旧車のレストアをしたことがある人は
そういったトラブルを経験されたと
思います。


みなさんは、
そんな場合どうしていますか?



旧車のボルトやナットを緩める場合には、
最初にCRCなどの浸透剤を吹いておくのですが、
これが、あまり効果がありません。


高いですがラスぺネが良いと薦めてる人も
いますが、実際は・・・!?


私はもっと安くて浸透率が早い強力タイプを
使っています。


ですが、


錆びて固着したものは、
浸透剤だけでは緩みません。


ボルトがナットからはみ出た部分が
錆びて腐りかけてるのですから、


そこに浸透剤を吹きかけワイヤーブラシ
でサビを落としてやると緩むことが多いです。



ワイヤーブラシなどが使えないような
狭い場所や箱になってる場合は、


強力タイプの浸透剤のノズルを隙間から
差込、ボルト側とナット側に吹きかけます。


そして、
始めに軽く締めてからゆっくりと緩め
多少でも緩めば、浸透剤を吹きかけながら
締めたり緩めたりの繰り返しをします。



ここで、
一気に力を入れて回すとねじ切れて
しまいますよ。


慌てずにゆっくりと何度も繰り返すのが
コツです。



そんな手間をかけずに、
ねじ切ってから抜けば良いのではと、
思ってるかもしれませんが、


1960年代の旧車には、
特殊なサイズやピッチのボルトを使用
しているものもありますから、
純正に拘る人は、試してみてください。



それでも、


ねじ切ってしまったボルトを抜く方法は
次回にお話します。


レストアの部品の外しはどこまで?

こんばんは、
レストア職人のSRです。


北海道や東北・北陸地方では豪雪が
あったようですね。


雪の少ない四国でも山沿いは
かなり雪が積もってるようです。


平地では雪こそ降りませんが寒い日が
続いて身も心も凍りつきそうです。


それでは、昨日の続きで、
レストアの部品の取り外しはどこまで?
です。


レストアするとなると、
サビの修理や錆びない対策をしないと
意味が無いと思います。


オールペイント程度の部品のばらしでは
ピラーやカウルパネルが錆びて穴が開いても
ウインドウガラスを外さないと分からない
場合もよくあります。


また、


フロアパンも良く錆びて大きな穴が開き、
地面が見えたりしてることも有りますよ。


フロアーパンはシートやフロアーマットを
すべて剥がさないと確認や修理は行えません。



ダッシュボードも外したい所ですけど、
どこまでレストアを行うかにより違いますが、
フロントガラスの周りに錆びがでて腐ってる
状態によっては、


ダッシュボードも外さないと溶接できない
こともあります。


ボンネットを開ければ見える
エンジンルーム内のインナーフェンダーや
サイドメンバー、Frクロスメンバー、
ラジエータコアサポートなども、


サビによる腐りや衝撃により起こる
鋼鈑が割れや避けが有る事もあります。



エンジンルーム内の部品は、
エンジンやサスペンションといった
負荷や加重が掛かるので強度が落ちてる
状態なら、


エンジンを降ろしてでも修理をしないと
トラブルの原因や車検も通らない
こともあります


エンジンやサスペンションなども
オーバーホールする場合は、
当然分解が必要になります。



ボディーだけを始めにレストアして、
エンジンやサスペンションは、
後から、レストアやオーバーホール
することも多いようです。


一度にフルレストアまですると、
時間とレストア費用が高くなるので、
予算や時間を考えて、


どこまで部品を外すか考えればいい
と思います。



次回は、
部品の取外し時に起こるトラブル
の予定です。