北朝鮮の市民のほとんどは、インターネットの存在すら知らされていない。
それが幸せなのか、知らないほうが良いのかという考察は、興味深いが、長くなりすぎるので、今回は割愛。
世を捨てるということは、世からも捨てられるということであるが、それは自ら望んだことだから、何も文句は言えない。ただ、市井で暮らしていると、いろんな情報と接してしまうので、ストレスからも逃げられない。
いちばん危険なのが、SNSである。まあ、アメブロも広義のSNSなのであるが。
自死遺族で交流のあった方で、アメブロを辞めてTwitterに移行した方を知っているが、Twitterもやがて辞めてしまった。とても心優しい繊細な方で、特に悪意のないリプにも傷ついてしまう。自死遺族として、よくわかる。
古来、隠者の定義や種類もいろいろあるが、一番わかりやすいのは山にこもる(出家に限らない)ことである。世俗の情報と隔絶することで、不便と引換えに穏やかな心境を得られる。
田舎暮らしに憧れ、実践する人も一定数いるが、たぶんゆるやかな世捨て感覚なのだろう。不便を楽しめる心のゆとりがある人、長期キャンプ生活が好きな人には向いている。
わたしは不便が嫌というか、不便が不安につながるので、市井での暮らしをやめるつもりはない。息子が去ったこの家に住み続けたいというのは、後付けの理由である。
吉田兼好は出家した後も、今の横浜市や大阪市に住んでいたし、鴨長明も、今の京都市内に住んでいたから、俗世と隔絶して暮らしたということではない。
もともとは家柄の良い人達だから、荒法師のような自立生活には堪えられなかったのだろうが、その中途半端さは、むしろわたしには親近感が持てる。
(若干追記;
昔から世界各地で、豪商とか庄屋とか、見知らぬ旅人を丁重にもてなす風習はある。
わたしが思うに、土産話に含まれる、よその土地の情勢や文化など、情報が欲しかったのだろう。
知識欲も、ほとんど本能に近く、情報を求めるのは人として抑え難いものなのだと思う。
それだけに、情報過多の現代では情報によって心乱されることが多くならぬよう、うまく自制する必要があろう。)
わたしは、Instagramは、危険だ(違う人種の楽しみだ)と気づいて早々に辞めた。修飾された幸せアピールのツールは、自死遺族にとっては劇薬に等しい。
Twitterは2つアカウントを持っていたが、どちらも削除した。他人のつぶやきを仕入れて自分が心穏やかになることは、まずない。
Facebookも基本的にリア充アピールの道具だが、汎用性が高い半面、中途半端なのか、放置している人は、わたし以外にもかなり多い。原則本名というのも善し悪しだ。
ネットニュースも、サムネとタイトルだけを眺めて、自分が本当に欲しい情報かと自問すれば、100のうち100は不要である。(先ほど「マイニュース」の画面で数えた。広告除く。)
この世界から居なくなったわが子が、どうなったのか、どうしているのか、ということについては、さんざん考えて、一定の私見に至った。(アメンバー対象の過去ブログに記載。)
自分がこの世から居なくなった時に会える、待っていてくれると信じる方を否定するつもりはないし、そう信じることで、かろうじて余生をまっとうする力にしていることは、尊いと思う。
そんな方(そう信じたい方)にとっては、わたしの私見など、まさに知らなくても良いことなので、それ目当ての(興味本位の)アメンバー申請はご遠慮ください。
なるべく世間の情報から距離を取っていると、コロナ禍と長雨の相乗効果もあって、ほんとうに気分がうつうつとしてくる。発作的に、息子が大量に保管していた向精神薬でも試してやろうかと思ったりするが、確か全部捨てたはず。
クスリは絶対に飲まないというのは、自分で決めたことなので、しんどくても眠れなくても我慢する。(このところずっと、2時間以上連続して眠れない。)
食べるものに困っているわけではないので、暇を持て余しているパンダのように、ごろごろするだけの日々である。
ただ、パンダのように、ひっきりなしに来客があって、ちやほやしてくれるということはなく、ひたすら孤独に耐えているだけの無為な時間が流れていく。
それでも、淋しさを紛らわそうとするあまり、世俗の知らなくてよいことにまみれて、みじめに傷つくよりはましである。
【蛇足】
ヒマだと、つまらないことをいろいろ考える。
今日は、「猿蟹合戦、そもそもサルがカニクイザルだったら、物語としては最初から終わっていたじゃないか・・・。」という発想から、
「出会いの功罪について」、思いを巡らせていた。気が向いたら、次回のテーマにでも。
あるいは、「約束」と「呪い」は、視点や方向性の違いだけで、本質は同じであるという話も、きちんと文章化してなかった気がするので、それを書くかもしれない。
まぁ、このブログ自体、既に終わったオマケみたいなものなので、あまり期待しないでください。
✴カバー写真は、マニアには結構人気の千苅ダム。梅雨の長雨で滝のように放水している様子は、なかなか迫力もあり、美しい。
(スマホで投稿するのは好きでないため、10年前の壊れかけパソコンにワード文書をコピペしたところ、今回と前回の記事がブラックアウトしていたことに気付いた。
なので、今さっき黒い背景をやめてデザインを変えてみた。編集はスマホからやる方が手軽である。)