わたし的今年の重大ニュースとして、SSさんの転身がある。


    彼女は高校の同級生で、ラカンの研究者として大学で社会学を教えていたり、社会学系出版社の経営もしていた。アマチュアピアニストとして、ロシア奏法の達人でもある。


    わたしとは細々と交流が続いていたが、今年になってダウジング・ソウル・セラピーインストラクターという、ガチのスピリチュアリストとして突然デビューした。(⁉️)


    心身の不調の改善はもとより、前世からの因縁を絶ち、未来への助言、落し物の捜索などもしてくれるという。自称「周波数の調律師」とのこと。


    その料金が高いのかどうかもわたしには分からないが、何の前触れも無かったので、ひたすら驚愕して、最近は連絡していない。


    どうも波動系の話は、わたしにとっては大好きだけど大嫌いという、こじれた恋愛みたいなものである。


    田坂広志「死は存在しない―最先端量子科学が示す新たな仮説」 (光文社新書)という本は、読まれた方もいるかもしれない。


    受け売りになってはつまらないので、わたしの考えた部分だけを記す。


・時間を巻き戻すには、光速を超える必要がある。光速を超えるものとして科学的に存在の蓋然性が高いものとしては

①ビッグバン直後のインフレーション、

宇宙の端っこが膨張する速度、

③量子もつれの関係にあれば、どんなに離れていても無時間で伝わる。


    ・・・・この中で、まだ生きているわたしたちが関われるものといえば、亡き人とのつながりを「想う」ことじゃないだろうか。ひとの想いは光速を超えると信じている。


・「箱の中身」(たとえば、ケーキか猫か、どちらかが、あるいは可能性として両方入っている)は実は開けるまで決まっていなくて、観測と同時に中身が決定される。

    ・・・・最初、何じゃそりゃ?とビックリ仰天した学説だが、未来は無限に枝分かれして存在しているという説と併せて、これは「運命」のことなんじゃないだろうか。


    未来は無数に予定されていて、その中で今の自分が選べるのはひとつだけ。開けてみて初めて、それが今の自分の運命だったと分かる。


    だから、今できることを一所懸命がんばるしかない。


・ゼロ・ポイント・フィールド

    この世のすべての出来事や思いも、全部波動(データ)として記録されている。未来の可能性まで記録されているという。

    わたしも以前は、そんなでかい入れ物がどこにある?と思っていたが、5次元以上の世界では、4次元までの大きさの概念は通用しないので、高次元なら可能なのだろう。


   このデータボックスの考えはスピ系には昔からあったが、量子力学でもこの数年、注目されている。


・・・・わたしは「魂はリサイクルされる」と考えていて、坂本龍一はドビュッシーの生まれ変わりだと言っていたそうだが、それはドビュッシーの一部がリサイクルされたものだろう。全部っていうことはあり得ない。


    死んだらみんなゼロ・ポイント・フィールドに移行して、混じってしまう。

(40年くらい前に、富野由悠季がイデオンで描いた世界も、シン仮面ライダーのショッカーが目指す世界も、よく知らないけどエヴァンゲリオンの人類補完計画も、同じような世界の話である。)


    きれいなものだけ記録されるわけではないので、負の感情もみんな混じっている。

    だから争いは無くならない。(シン仮面ライダーでは、「全人類が死んでも、みんなの魂が嘘もつけずに混じりあっているあの世は地獄と同じ」という観点から、仮面ライダーはショッカーと戦っている。)


・ビッグバンはまたいつか起こる。何度でも起こる。神の意思とかいう話ではなくて、「なぜビッグバンが起こり、宇宙が始まったのか」を考える時、「データ(エネルギー)が圧縮され過ぎて飽和したから」というのがわたしの仮説。


・自分が死んだら、わが子が迎えに来てくれるとか、会いたい人に笑顔でまた会えるなんてことは、容易ではない。この地球上で、たった数十億人の中から一人の運命の人に出逢うのだって、とんでもなく大変なことなのだから。


    死んで肉体から解放されてしまったら、あとは心とか魂とかを総動員して、繋がりたい人との絆が消えないようにしないと、あの世で再会できる確率はゼロになる。


    ゼロポイントフィールドにいる魂の数は億単位などでは到底間に合わない、人間以外の魂も含めれば、無量大数の単位であろう。


    だから、毎日欠かさず思い出して、話しかけるようにしている。


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    今年のわたし的ニュースのひとつに、早期退職した同期の連絡先が分かったというのがある。(他の同期に尋ねても誰も知らなかった。)


    ふと思い立って彼女の氏名を検索してみたら(今まではヒットしたことが無かった)、なんとキリスト教の伝道師になっていた。

(伝道師が何をする人なのか、牧師との関係とか、全然知らないので書けない。)


    こちらは、若い頃から宗教の話をよくしていたので、そんなに驚かなかった。


    その教会宛に手紙を出したら、彼女に転送してくれて、彼女から手紙が届いた。通っている教会の牧師は、元極道で覚せい剤で服役という経歴の方だが、親とわが子を自死で亡くしたという。


    千葉に住んでいるとの事なので、来年あたり会いに行こう。


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    明日は大阪の自死遺族フォーラム。有意義な集いにしたい。(というか、懇親会で飲み過ぎないようにしないと、翌日の俳句吟行に響く・・・)


    カバー写真は、今年わが家で羽化したアオスジアゲハ7号。今年の末っ子である。

    他の子に比べて食が細く、何度も葉っぱから落ちてしまい、すごく手のかかる子だった。


    まだ大きくなりきらないうちにサナギになってしまい、葉っぱにつかまれないので、紙で筒状のベッドを作って見守っていた。すごく心配していたが、無事に羽化できた。子育てを終えた気分になった。


    先日、庭の花に小さいアオスジアゲハが蜜を吸いに来て、しばらく舞った後、元気に飛んで行った。

    7号が遊びに来てくれたんだと思った。


     蝶は他の生き物を害しないので、魂の乗り物になれる。

    アオスジアゲハは、わたしの長男のシンボルである。