キャリア振り返りのための自主的マイルストーン設定のススメ | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

独立人事総務業務請負人(人事総務IC)の木村勝です。

前回「65歳定年時代にのぞむ中高年ビジネスパーソンのスタンス」という記事を書きましたが、その続編です。

サラリーマン生活の区切りとして定年退職時期の果たす役割が実質的に無くなってきています。
60歳定年時点で、職場では特に「定年退職のご苦労さん会」をやるわけではなく、定年後も今まで通りに出社になるケースがほとんどです。

雇用形態は、正規従業員から1年単位(1年間の有期契約が再雇用の場合ほとんどだと思います)に変わりますが、職場も変わらず、場合によっては仕事もほとんど変わりません。

以前大企業では、定年退職前の55歳や直前58歳などのタイミングで年金制度を中心とした定年後のライフプランについてセミナーを設けるところが多かったと思います。

しかしながら、公的年金支給が65歳に後ろ倒しになった現在では、「説明会を実施すること=65歳まで働かないと生活成り立たない」という事実の意識づけにしかなりませんので、会社もこうした講座は一時中止しているところも多いと思います。

会社がこうした意識づけを行わない現在こそ自ら意識して、自分のキャリア振り返りを行う必要があります。

45歳、50歳、55歳、60歳などマイルストーンを自ら定め、自己のキャリア棚卸の時間を設けて、今までのキャリアの資産・負債を徹底的に棚卸しておくことは、そのまま65歳まで現在の勤務先で勤務継続でいくと決めるにしても絶対必要です。

住宅ローンや子どもの教育費負担を冷静に考えると、将来真っ暗、考えること自体を放棄したくなるという方もいるかと思いますが、ここでキャリアの棚卸をして職務経歴書にきちんと自分のキャリア資産をまとめておくの意義は大きいです。

大多数のサラリーマンにとっては、現在の企業で65歳まで勤務を継続するということになる方がほとんどだと思います。

しかしながら、一度キャリアの棚卸を行った上で主体的に、継続雇用の道を選択するのと、そのまま流されるように60歳以降も勤務を継続するのでは、変化への対応力に大きな差が出てきます。

”今後いつ飛んでくるかわからない偶然のチャンスをつかむ”
"独立事業主として別の就労形態で働く”

あるいは
”会社業績の悪化による65歳前の契約終了”
”大病を患い、長期療養により、契約解除を余儀なくされる”
等々の場面に遭遇した場合にも冷静に対応することが出来ます。

また、実際にじっくりと時間をかけてキャリアの棚卸を行うことにより、そのプロセスの中で”自分のやりたかったことは何か”や”今から着手して準備しておくべきこと”が自然に導かれてくるという効果もあります。

定年60歳というタインミングが意識の区切りとならなくなった現在、自ら自主的なマイルストーンを設定して、たっぷり時間をかけてキャリアの棚卸を行うこと、中高年サラリーマンにとってマストだと考えますが、いかがでしょうか。