独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
本日2014年10月3日毎日新聞朝刊に厚生労働省発表の2つの記事が掲載されていました。
一つは、「2013年の健康寿命データ」、もう一つは「基礎年金納付期間65歳まで延長の方針」という記事です。
健康寿命とは、簡単にいうと介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示すものですが、厚生労働省公表によると、この数字が2013年 男性71.19歳(13年の平均寿命は80.21歳)、女性74.21歳(同86.61歳)だったとのこと。
2010年時点の健康寿命は、男性70.42歳、女性73.62歳ですので、前回調査時点比で見ると男性+0.7歳、女性+0.5歳といずれも0.5歳以上のびています。
やはり単に平均寿命がのびるだけでなく、介護を受けたりせずに日常生活が送れる期間がのびることが重要ですので、その意味で今回のデータは喜ばしい限りです。
もう一つの記事は、厚生労働省が基礎年金の加入期間を現在の60歳から更に5年のばす方針を打ち出したという記事です、
現在受給開始は65歳になっていますが、これとセットで加入期間をのばすことで年金水準の確保を狙うものです。
先ほどの健康寿命が伸び、60歳以降も元気で働くことが出来る人が増えてくることは人口減少国日本では、いいニュースだと思います。
しかしながらこうしたデータを見ると自分も71歳までは大丈夫と思えてきますが、そこは人それぞれであり、こうしたデータは参考にしつつ、人生後半のキャリアプランは自分自身でどこかで一度立ち止まってじっくり考える必要があると思います。
当方、35歳の時に急性心筋梗塞で生死の境を彷徨った経験があることもあり、ネガティブに聞こえますが、人生一寸先はわからないという思いが強いです。
”65歳まで高年齢雇用継続法の適用で今まで通りに(嫌だけど今の職場で)勤務を継続し、65歳でリタイア、以降健康なうち(先ほどの年齢で言えば健康寿命の71歳になりますでしょうか)はのんびり好きなことをしよう!”というキャリアプランを描いている方は意外に多いですが、この計画は結構リスク高い人生プランだと思います。
もちろん65歳まで働けた(生きた)場合の平均寿命は男性84歳、女性89歳とさらにのびますが、あくまでもこの数字は平均です。
今年に入り、お二人の禅友(お二人とも年齢50歳前、坐禅会でのお仲間です)とガンでお別れしました。
お二人とも生死に関しては決着がついている方でしたので、淡々と旅立たれましたが、平均健康寿命を想定してやりたいことを後に持ってくる(退職後にやろう、楽しもう!)のであれば、今のうちに計画してすぐにでも取りかかった方が後悔少ないと思います。
よく言われる問いですが”余命5年宣告受けたら、何をしますか?”という問いがあります。
実際この立場にならないと真剣に考えることは難しいですが、自分で真剣に考えてみると意外に今でもできることが上位項目にくることが多いと思います。
例えば、当方の場合でいえば、
”お世話になった方への感謝の気持ちを伝える”とか、
”今までできなかった家族孝行、親孝行をする”
などが優先順位が高い項目になります。
65歳までの企業での雇用義務化、またこうした平均寿命・健康寿命の延長の情報に触れると、”自分も大丈夫”というモラトリアムの時間が長くなり、本当にやりたかったことに未着手のままになるリスクがあります(”未着手”というのも頭で考えているだけで、実際は日々の行いがあるだけですが)
今後は、65歳まで基礎年金を納付することになるかもしれませんが、いずれにしても自主的に社会制度の定年時期とは別に”自らの自主的な心の定年時期”を定めること、これからますます必要だと考えます。