日本の今後の雇用を考える上で外せないキーワードは「女性・高齢者・外国人」です | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。

最近の当方ブログ記事を見ると、話題はほぼほぼ「女性・高齢者・外国人」に収斂されています。

その他のテーマももう一つ踏み込むと上記3つのいずれかに関連してきますので、やはり今後の日本における雇用を考える上での三大キーワードであることは間違いないところです。

先週2014年8月8日には、厚生労働省から「外国人技能実習生の実習実施機関に対する平成25年の監督、送検の状況」が公表されていました。

その概要ですが
①何らかの労働基準関係法令違反が認められた実施機関は、監督指導を実施した2,318事業所のうち1,844事業所(79.6%)
②主な違反内容は、(1)安全衛生関係(49.3%)(2)労働時間(29.9%)(3)割増賃金(20.0%)の順
③重大・悪質な労働基準関係法令違反に送検したのは12件
となっています。

全体ではどうかというと、少々古いデータですが「2011年労働基準監督年鑑」を見ると、定期監督等を実施した事業場数132,829j件に対して、何らかの法違反のあったものは、89,586件(67.4%)となっています。
※2011年度の外国人技能実習生の実習実施機関の同データは、82%です。

全体比較でもやはりよく言われる「技能実習制度は賃金不払いや長時間労働を強いるなど違法行為が後を絶たず、安く働かせる都合のいい制度になっている」という指摘もむべなるかといったデータになっています。

報告では、労働基準監督機関と出入国管理機関との相互通報状況についてもデータが出ています。
こうした行政官庁間の連携を通じて、技能実習制度拡大に先駆けて、まずは労働者としての待遇を保障していかないと、該当職種については根本的な対策である若年日本人労働者の担い手養成という面でも大きな悪影響が出てくることになります。

技能研修制度の拡大に関しては、本来の目的との乖離を懸念する声も多いですが、まずは日本で実際に働らく労働者としての条件確保が大前提であり、それなしには制度拡大はありえないと思います。