独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
6月に公表される成長戦略の柱として、労働時間規制緩和の導入方針を明記することが決まったと報じられています。
「ホワイトカラー・エグゼンプション」については、2007年の検討の際には大きな話題になりましたが、構想自体は更に昔の20年以上前から検討は始まっていたような記憶があります。
まだまだ民間委員と厚生労働省意見は、隔たりがあるようです(厚生労働省が慎重意見)
”年収1000万以上を対象にする”など年収による対象線引きも検討されていますが、中小企業の感覚では、年収1000万以上で残業手当がつくという従業員は、あまり想像できないのではないでしょうか?
中小の感覚でいえば、管理職でも上の層例えば部長、あるいは役員レベルの年収イメージになるかもしれません。
一方で中小をはじめに管理職として既に時間管理非対象(名ばかり管理職のケースもあるかもしれませんが)で働く従業員がいる中で、今回の高度専門職を対象とした論議は、大企業中心の議論で今一つピンとこない感じです。
荒っぽい意見ですが、今回規制緩和の対象とする”成果の図りやすい高度専門職”に対しては、会社との労働契約を結ぶより、業務委託契約など独立して契約を結んだ方向への働き方推進支援の方がすっきりするように思います。
労働時間規制の枠外などという狭い論議ではなく、1社専従でもあるいは複数サービス提供という形でも独立的に会社にサービスを提供し成果によって報酬を得る。
リスクもありますが、事業の高度化・拡大により、新たな従業員雇用を創出にもつながる可能性もあり、こちらの支援のほうがよほど成長戦略になりえます。
独立起業の心理的、経済的なリスクを下げてシニア含め新たなキャリアにチャレンジするような雰囲気・環境づくりがこれからの日本には必要だと思います。
思いつきですが、例えばサポート案として
(独立当初は事務所賃借など費用もかかますので)
・空室化が目立つような公営住宅1棟をそうした起業候補者へ(審査の上ですが)保証人など無しで貸し出す。
・敷地内にある団地の集会場などは、そうした自営業者の集中事務センターとして、コピー・スキャン・宅急便など物流サービスの拠点とし、高齢者シニア層の活躍の場とする、等々
です。
少子化で統廃合・廃校が進む都心の小学校校舎などもそうした拠点になりうると思います。
また、独立起業の場合には、当然働く意思がありますので失業保険の給付対象にはなりませんが、独立当初の心理的・経済的な不安・リスクを軽減しるためにも、失業給付とは別の形で何らかのセーフティネットとして支給対象に入れるなど---
既にそうした支援策があるのかもしれませんが、日本の成長という観点では、新たな雇用を生み出すこうしたチャレンジも検討に値すると思うのですが---
「働き方を柔軟に」という目的に関しては、労働時間法制だけでなく、もう少し違った観点からの論議も必要だと感じた次第です。