2014年4月20日、日経朝刊に「大卒採用来春16%増」という記事が出ていました。
採用予定人数の2015年春増減率は、文科系13.2%に対して理工系17.2%(2014年春増減率は文科系2.2%、理工系8.1%)と、やはり理工系人材ニーズが高いようです。
また、同日には「14年卒の大学生採用数 計画に5.2%届かず~理工系確保難しく」という記事も出ています。
理科系人材不足は深刻のようです。
また、日本成長戦略の重点課題の一つである「女性の活躍推進」面からも、「企業における理系人材の逼迫」に、「理工系女子(いわゆる”キケジョ”)の絶対的な少なさ」があいまって課題になっています。
2014年4月15日には、日本経団連から「女性活躍アクション・プラン~企業競争力の向上と経済の持続的成長のために~」という提言が公表されています。
日本の全産業の就業人口に占める女性比率は約4割程度ですが、日本の付加価値創出の源泉の一つであるものづくり産業(製造業)で女性の比率は3割、さらに製造業の専門・技術職では女性比率は1割にも満たないというのが現状です。
この提言書の中で、”女性が理工系を専攻しないのは、「研究室に寝泊まりしなければいけない」「ひとりで研究ばかりして暗い」「お金がかかる」等の、理工系に対するネガティブや先入観が要因の一つであるとの指摘がある”という記述があります。
小保方さんのSTAP細胞発見で盛り上がりを見せた”リケジョ”ブームも今回の騒動で水を差された感がありますが、この提言書でも、理工系女性の人材育成に関してあまり効果的な解決策は提案できていないような感じです。
当方長年メーカーに勤務しておりましたが、理工系エンジニアの管理職ポストとしてかなりの数を占めるのが、現場と呼ばれる製造工場の製造課長、保全課長などのポストです。
製造業における女性の役員・管理職比率向上のためには、「リケジョの採用」⇒「製造現場の配属・活躍」⇒「工場製造課長への昇格」というルートも開拓していかなければなりませんが、本社部門、設計・開発部門に比べるとまだまだ女性の進出は遅れがちです。
その理由については、別途記してみたいと思いますが、女性の活躍推進」のカギの一つに「リケジョの絶対数の増加」があることは間違いないと思います。