独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
ブラック企業報道など、昨今の過労死等の多発が社会問題化していることに鑑み、与野党の国会議員により、「『過労死防止基本法』制定を目指す超党派議員連盟(代表世話人:自民党・馳浩議員)が組織されていました。
昨年末12月4日、自公を除くこのグループ野党議員により先の臨時国会に法案が提出され、その後継続審議扱いとなっていたのが、この法案です。
(自公は党内調整未了のため、この時は不参加)
この国会提出済法案につき、自民党内で先月検討が行われ、一部内容修正の上、了承になりました。
提出法案の概要は
・「調査研究」を目的とする法案とする
・①「調査研究」、②「国民に対する啓発」、③「相談体制の整備」、④「民間団体支援」の4つを過労死等防止のための対策とし、現行労働法制を含めた過労死等防止対策全般を対象とはして いない。
・責務としては、
①国・地方が上記の防止対策を行う責務
②事業主が防止対策に協力し、雇用する労働者の健康の保持を図るための必要な措置を講じる努力義務、
③国民が過労死等を防止することに自覚と関心と理解を深める努力義務
を規定しています。
海外でも「karoshi」そのままで通じるほど日本特有の問題ですが、「過労死」という言葉が法案に織り込まれるだけでも画期的なことだと思います。
(当方の場合、過労とは直接関係ないとは思いますが)35歳に時に急性心筋梗塞で生死の境を彷徨ったことがあります。
”体を壊してまで働くことはない”
単純で極めて当たり前のことですが、一度体験しないとなかなか自分の限度が見えないところかもしれません。
この当たり前のことが世の中に当たり前のことと周知・理解されること、本法案に期待するところ大きいです。