感覚的 ”中小企業の人事業務と大企業の人事業務”の違い | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

当方、現在は中小企業と言われる規模の企業の管理部門に勤めていますが、以前
大企業と言われる会社の人事部門で仕事をしていたことがあります。

ちなみに、中小企業の定義は、中小企業基本法第2条において定められています。

<中小企業者の定義>
 業種:従業員規模・資本金規模
 製造業・その他の業種:300人以下又は3億円以下
 卸売業:100人以下又は1億円以下
 小売業:50人以下又は5,000万円以下
 サービス業:100人以下又は5,000万円以下

<小規模企業者の定義>
 業種:従業員規模
 製造業・その他の業種:20人以下
 商業(※)・サービス業:5人以下
 ※商業とは、卸売業、小売業(飲食店含む)を指します。

この定義上からも現在の勤務先は、中小企業そのものです。

両方での業務経験を踏まえて考えると、”やはりどちらの経験も役にたつな~”という
当たり前の感想になります。

中小企業の場合、ある意味 ”何でも屋”です。

書類や制度も自分で検討作成し、届出のため、労働基準監督署、ハローワークへも行
けば、税務署にも法務局にも行きます。
従業員数も少ないので、人と顔が一致し、コミュニケーションは極めて容易で良好です。

一方、大企業の場合、採用、異動、労務、制度企画、タレントマネジメント、人材育成
(研修)、国際人事など業務領域の細分化が進んでいます。

また、大企業の場合、部門数も多く、管理対象人員も多いですので、中小の ”顔パス
でコミュニケーション、走りながら修正すればいい”といったやり方は通じず、計画的か
つ理路整然と進めていかないと、社内は動きません。

大規模組織に対して、どのように仕事を進め、期待の影響力を発揮していくには、やは
り大規模企業での組織力学のようなものを体験する必要があります。

独立した人事コンサルタントの方々も不思議に、「大企業出身コンサルタントの方の顧
客はやはり大企業系」、「中小ベンチャー出身のコンサルタントの方は、中小ベンチャー
系サポート」が中心になるのも、こうした体験が何となく”匂い”として双方感じるか
だと思います。

大企業で少々危惧するのが、昨今のオペレーション外注化の動きです。

大企業でも、以前は新入社員は、まずは工場の人事担当からスタート始まり、その後本
社の人事部門へ異動するといったローテーションが普通でしたが、最近は給与・厚生な
どオペレーション業務は、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)会社へ外注化が進
んでいることもあり、工場などの現場経験無しに企画系業務に初めから従事することが
多くなっているかと思います。

そのため、オペレーション経験を経ずに専門領域の企画業務に従事することになるため、
民間企業の人事部員もある意味、その分野の専門コンサルタント化が進んでいるような
気がします。

『企画業務をするためには、オペレーション経験が必要!』とまで極論は言いませんが、
オペレーション経験なしに、その制度企画を活きたものにするためには、また違ったノウ
ハウ・経験が必要だと思います(オペレーションに関する情報収集ノウハウ、ヒアリング
ノウハウなど)

こうした専門家ノウハウの蓄積も進んではいるかと思いますが、意外にまだまだ

『ある部門には違うレポートラインのメンバーが所属しているので、評価依頼の
際には、役員を分けて依頼しないとあとで揉めるので注意』

『評価結果のイレギュラー値を確認・調整するのが人事の果たすべきチェック
機能。1人だけ満点あるいは最低点がついているのは人事が調整しないとダメ』


など、意外にその会社だけしか通用しないノウハウの専門家になったりもしているのも
まだまだ結構見受けられる事実ではないでしょうか?

大企業であろうとも中小企業であろうとも、また企画業務であろうともオペレーション業務
であろうとも、今担当している目の前の仕事に軽重をつけずに自己のノウハウとして血肉
化しておくこと、40歳定年制が叫ばれる今後の人事担当者の仕事の進め方ではないで
しょうか。

こうした仕事の進め方をしてこなかった自分に反省です。
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