こんにちは、凛です。


弁護士先生と方針を固めた私は、夫に一切勘付かれないよう、細心の注意を払いながら「ある準備」を進めていました。


それは、夫の不倫相手である**「あの女への慰謝料請求」**です。


幸い、夫のスマホの誤爆写真や、探偵さんの執念の調査によって、相手の女のフルネームと勤務先(または自宅住所)はすでに判明していました。


弁護士事務所の重厚なデスクで、先生が作成してくれた**「内容証明郵便」**の原案を確認したとき、私はその文面の冷徹さに、心の底からゾクゾクするような高揚感を覚えました。


そこには、普段の生活では絶対に使わないような、法律のプロによる鋭い言葉が並んでいたのです。






『貴殿は、通知人の夫である◯◯が既婚者であることを知りながら、◯月◯日、および◯月◯日、不貞行為(肉体関係)に及び、通知人の婚姻生活を破綻に至らしめました。

これは明確な不法行為であり、通知人が被った精神的苦痛に対する慰謝料として、金300万円を請求いたします。

本書面到着後、14日以内に指定の口座へお振込み、または誠意ある回答なき場合は、直ちに法的措置(裁判)に移行いたします』


300万円。


私がどれだけ働いても、そう簡単には作れない大金です。


でも、人の家庭を壊し、平気な顔で私の夫とホテルへ行っていたあの女には、それだけの代償を支払う義務があります。

凛さん、これで発送しますね。弁護士名義で、女の自宅(または職場)に直接届くように手配します。相手は今頃、何も知らずにのんきに過ごしているでしょうから、これが届いた瞬間の衝撃は相当なものですよ」


ニヤリと笑う弁護士先生が、この時ばかりは正義のヒーローに見えました。


発送のボタンが押されたあの日。


私は、自宅のリビングでいつも通りテレビを見ている夫の後ろ姿を、冷ややかに眺めていました。


(あなたたちが楽しかった時間は、もう終わり。数日後には、あの女の元に地獄からの手紙が届くわよ)


自分の手でポストに投函するわけではないけれど、法律という大きな力が、私の代わりにあの女の元へ向かっている。そう思うだけで、これまでの震えるような悔しさが、スーッと消えていくのが分かりました。






次回、ついに**「内容証明を受け取った不倫女の、あまりにも見苦しい反応」**。そして、そこから夫へ飛び火する修羅場のお話をお届けします。