こんにちは、凛です。


私はついに夫との直接対決に臨みました。


「あなたたちがラブホテルに入っていく写真、私の手元にたくさんあるよ」


私がそう告げた瞬間、リビングの空気は凍りつきました。


夫は土気色の顔のまま、ガタガタと震える手でスマホを握りしめ、しばらく言葉を失っていました。


しかし、数分間の沈黙の後、夫の口から出たのは、謝罪の言葉ではありませんでした。


「……お前、探偵なんて雇ったのか? 浮気調査なんて、いくらかかったんだよ! そんな大金、どこにあったんだ!?」


逆ギレです。


自分の不倫で家族を裏切ったことへの反省よりも先に、私が「いくら使ったのか」「どこからお金を出したのか」を血眼になって問い詰めてきたのです。


その浅ましさに、私の中で冷たい笑いが込み上げてきました。


「お金? 私が独身時代に必死に貯めたお金と、あなたがゲームでもしてると思ってバカにしていた『ポイ活』で貯めたお金だよ。あなたの不倫のせいで、私の大切な貯金が消えたの。きっちり女とあなたから回収させてもらうから」


私がそう言うと、夫は頭を抱え、今度は信じられないような言い訳を始めました。


「違うんだ、凛! 確かにホテルには行ったけど、あれは……彼女が仕事のことで悩んでいて、話を聞いていただけなんだ! 本当に一線は越えていない! 信じてくれ!」


「話を聞くだけで、夜中に2人でラブホテルに朝まで滞在するの?」


私が探偵さんの報告書のコピーを机に叩きつけると、滞在時間が秒単位で記録された書類を見て、夫はついに絶句しました。


そして、追い詰められた夫が最後に放ったのは、一生忘れることのできない、本当に信じられない一言でした。


「……わかったよ! 悪かったよ! でもさ、お前が最近冷たかったから、俺だって寂しかったんだよ! 男をあそこまで追い詰めるお前のそういう性格にも、問題があるんじゃないのか!?」


自分の裏切りを、私の「性格のせい」にすり替えたのです。


47歳になるまで、この人のために尽くしてきた私の人生は何だったのだろう。


一瞬だけ胸が締め付けられるような悲しみが襲いましたが、次の瞬間、私の中で「未練」という名の感情が完全に消えてなくなるのが分かりました。


(あぁ、この男はもう、救いようのないクズなんだ)


そう確信した私は、深く息を吸い、これ以上ないくらい冷ややかな声で告げました。


「そう。私の性格のせいね。じゃあ、これからはお互い、法律の場でのお付き合いにしましょう。明日、弁護士の先生から正式に書面が届くから、よく読んでおいてね」


夫をリビングに残し、私は自分の部屋に入って鍵を閉めました。


悔し涙ではなく、完全にこの男を見限った、清々しいほどの決意の夜でした。






次回、「不倫夫のその後」。弁護士から書面が届き、一気に立場が逆転した我が家の日常をお届けします。