こんにちは、凛です。
役所に離婚届を提出し、戸籍上は無事に「バツイチの単独戸籍」として再出発を切った私。
しかし、ホッとしたのも束の間、調停で勝ち取った最大の果実である「自宅の確保」を完結させるために、絶対に避けて通れない手続きが残っていました。
それが、**【自宅の名義変更(所有権移転登記)】**です。
夫の実家が残りの住宅ローン(約600万円)を銀行に一括返済してくれたため、家にかかっていた銀行の担保(抵当権)は無事に外れました。これでようやく、名義を夫から私へと書き換える準備が整ったのです。
調停調書を握りしめ、私は弁護士先生から紹介された司法書士事務所の門を叩きました。
「これで名実ともに、この家は私のものになる……!」と、少し晴れやかな気持ちでいた私に、担当の司法書士さんは優しく、しかし極めて現実的な電卓の手を叩きながらこう言いました。
「凛さん、離婚調停での完全勝利、本当におめでとうございます。旦那さんの親御さんに一括返済させたのは素晴らしい手腕ですね。
……ただ、ここからが手続きの本番です。この家をご自身の名義に変えるにあたって、**どうしても発生してしまう『実費』**のお話をさせてください」
そう言って提示された「見積書」に書かれた数字を見て、私は思わず目を見張りました。
そこに並んでいたのは、パート主婦の私にとっては目も眩むような、あまりにも生々しい金額だったのです。
【司法書士から提示された名義変更の費用】
登録免許税(国に払う税金): 約15万円(※固定資産税評価額の2%)
抵当権抹消・登記原因証明情報作成実費: 約2万円
司法書士への報酬(手数料): 約8万円
【合計請求額】 約25万円
「に、25万円……!?」
私は声が裏返りそうになりました。
離婚時の財産分与として家を貰う場合、贈与税や不動産取得税といった大きな税金は基本的にかからない(免税される)とネットで読んでいたので、すっかり油断していたのです。
しかし、国に支払う**「登録免許税」という名の登記の税金**だけは、どんな理由があろうとも、名義を変える瞬間に絶対に一括で支払わなければならない実費でした。しかも、土地と建物の価値(固定資産税評価額)に比例して高くなるため、我が家の場合はそれだけで15万円を超えていたのです。
「あの男から毟り取った毎月10万円の婚姻費用を、手をつけずに貯めておいて本当に良かった……」
心底、過去の自分を褒めちぎりたくなりました。もしあの時、調停中に目先のお金を使ってしまっていたら、家を自分のものにするための25万円すら用意できず、手続きが途中でストップしてしまうところだったのです。
離婚は、成立したらハッピーエンドではありません。
家を勝ち取っても、それを維持し、自分のものとして確定させるためには、主婦の身銭が次々と削られていく。これが「綺麗事じゃない自立のリアル」なのだと、痛烈に思い知らされました。
私は震える手で、貯金口座から25万円を司法書士口座へと振り込みました。
しかし、お金を払えばすべてがスムーズに進むかと思いきや、ここでまさかの**「元夫の往生際の悪さ」**が再び牙を剥くことになります。名義変更に必要な「ある書類」の提出を、元夫が露骨に拒否して引き延ばしを計ってきたのです。
次回、**「離婚したのにまだゴネるの? 名義変更の書類提出を拒否する元夫を、調停調書の『ある一言』で強制執行した話」**をお届けします。
