夫婦の間にできた小さな溝や亀裂は、時間が経つにつれて少しずつ大きくなっていきました。

 

最初は小さなすれ違いだったものが、気づけばお互いに顔を見ることすら嫌になっていました。

 

同じ家には住んでいるけれど、ほとんど顔を合わせない。

 

必要なこと以外は話さない。

 

そんな、いわゆる家庭内別居のような状態で過ごしていました。

 

 

でも、いつまでもこの状態を続けるわけにもいかない。

 

私自身も、そろそろ離婚についてきちんと話をしないといけないなと思い始めていました。

 

そんなとき、夫から連絡が来ました。

 

「離婚について話し合いがしたい」

 

という内容でした。

 

考え方も価値観も、最後まで本当に違う二人だったと思います。

 

でも、このときの「もう離婚に向けて話をしよう」という気持ちだけは、不思議なくらい同じでした。

 

連絡を見た瞬間、

「私もそう思ってた」

というのが正直な気持ちでした。

 

だから、迷うこともなく「話そう」と返しました。

 

家庭内別居のような生活をしていたので、夫ときちんと向かい合って話をすること自体が久しぶりでした。

 

机を挟んで座って、久しぶりに改めて夫の顔を見ました。

 

そのとき、

「ああ、私はもうこの人のことを好きではないんだな」

 

と、改めて思いました。

 

夫が私を見る表情や目にも、もう愛情のようなものは感じませんでした。

 

たぶん、お互い同じだったんだと思います。

 

そして、その話し合いの中で私は泣きました。

 

離婚が決まるまで、後にも先にも泣いたのはそのときだけだったと思います。

 

でも、別れたくなくて泣いたわけではありません。

 

夫に未練があったわけでもありません。

 

涙が出た理由は、娘のことでした。

 

「仲の良い両親でいてあげられなくて、本当にごめんね」

 

そんな気持ちでした。

 

娘にとっては、父親と母親が仲良く一緒にいる家庭の方が良かったのかもしれない。

 

そう思うと、本当に申し訳なくて、残念で。

 

自分の不甲斐なさをすごく感じました。

 

だからといって、娘のためにこのまま仮面夫婦を続けられるのかと言われたら、それもできないところまで来ていました

夫婦としては、もう終わっていたんだと思います。

 

さらにその頃の私は、仕事もしていませんでした。

 

専業主婦だった私が離婚する。

 

これから娘と二人で、どうやって生活していけばいいんだろう。

 

お金のこと。

仕事のこと。

住む場所のこと。

娘の生活のこと。

 

一気に現実が押し寄せてきて、本当に頭が真っ白になりました。

 

それでも、離婚するという方向について迷いはありませんでした。

 

不安だらけだったけれど、

 

「もう、やるしかない」

 

最後はそんな気持ちでした。

 

離婚を決めることと、その後の生活を作っていくことは、まったく別の話でした。

 

ここから私は、娘との生活を守るために、ひとつずつ現実的なことを考えていくことになります。