彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』
B列センター上手寄り
作 :W.シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出・上演台本 吉田鋼太郎
<CAST>
柿澤勇人
北 香那
白洲 迅
渡部豪太
正名僕蔵
高橋ひとみ
吉田鋼太郎
自分で申し込んだチケットは外れて、、、遠いし、長いし半ば諦めていたけど、諸々条件が整い、観劇できた。劇友さんからの熱烈押しもあったしね、
”HUMLET”は数々の舞台を観てきた。とても好きな作品。
訳は、河合祥一郎氏の”新訳 ハムレット”が一番好きだ。
セリフのリズムと響きにこだわって訳した新訳です。
小田島氏と河合氏の訳の一番の違いは、、
あの有名な
To be, or not to be, that is the question.
河合版「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」
小田島版 「このままでいいのか,いけないのか,それが問題だ」
これ、、が、弱いなぁって思っちゃう。
だって、ハムレットは、父の死の真実を父の亡霊から聞き、
「世の中の関節(タガ)は外れてしまった。あぁ、なんと呪われた因果か。それを直すために生まれてきたのか。」
そのように決心したハムレットには、生きるべきか、、と悩む方が腑に落ちる気がします。
それに、河合祥一郎版の言葉の選び方が秀逸で、
私が以前にもずっと書き続けている。
ガートルートの寝室で、母親にその心変わりの速さを嘆き、父の事を思い出させ諭したのちに、、ハムレット自身は狂ったふりをしている事を黙っていて欲しいと告げた後、
ガートルート「安心して、言葉が息から生まれ、息が生命(いのち)から生まれる限り、お前が私に言ったことは命にかけて誰にも言いません」
特に篠井英介ガートルートから聞くこの言葉の美しさが忘れられません。
zあ
って、、話がそれまくってますが、、
今回は、カッキーハムレットだよね。
しょっぱなのシーンでクローディアスが即位して、兄の死を憂いながらも兄の妻を自分の妻とした事を話しているのを上手で聴きながら、、
目がウルウルしていたカッキーハムレット、、、おお、これはきっとすごい事になるなぁって予感が。
理知的で機微に富んだ国民に慕われているハムレットがそこにいた。
萬斎ハムレットは、よく通る声を響かせて場を締めていたし、、
竜也ハムレットは孤高だったかな、、
この二人を超えるハムレットは居ない。私の中では。
と、カッキーハムレット。
好きだけど、、演出が合わないからかな、また観たいなぁとは思えなかった。
鋼太郎さんの今回の演出は、そうなんだーって思うけど、ちょっとね。
特にラストのミモザ。 あんなにバサバサ落とさないで、柔らかく細かい方が好き。好みの問題だけど、そこだけ蜷川さん?って思うよね。
昨年の野村萬斎演出クローディアスを兼ねた野村祐基ハムレットと
今回も演出とクローディアスは吉田鋼太郎さんのハムレット。
演出とクローディアス役は絶対に別の人の設定が良い。
何ていうか、クローディアスが前面に出すぎるというか、クローディアスに対しての”悪”が弱まるというか。。。
譲っていただいたチケットは、FCのピクチャーチケットだった。
蜷川さんにご挨拶しました。
本当に、蜷川さんの舞台はどれも素晴らしかった。
与野本町駅前のバラ。
ピークは越えてたけど、キレイでした。