D列 センター
216(ニーロ)の日に観劇
【作】横山拓也
【演出】瀬戸山美咲
<CAST>坂東龍汰 近藤公園 綱啓永 正名僕蔵 新納慎也
相島一之
【美術】堀尾幸男
<STORY>
小さな漁村、沈丁花が見事に咲く瑞香院という神社、あとは海沿いのささやかな温泉があっただけのコノ島が、25年前のリゾート開発でおかしなデザインのホテルが建ったり、温泉施設ができたり、本土との定期連絡船が設定されたり、随分様変わりした。
そのことが直接関係あるわけではないだろうが、コノ島を「う蝕(しょく)」が襲い、島のあちこちを陥没させて、たくさんの人を飲み込んだ。
この地盤沈下のような現象を「う蝕」と言い出したのが誰なのかは不明だが、まるで虫歯がジワジワと侵食してくるように、地面にポッカリと穴を開けていく。
犠牲者の身元判明のために集められた歯科医師たちがいる。コノ島に移住して歯科医院を開業している根田(新納慎也)、本土からやってきたこだわりが強い歯科医師の加茂(近藤公園)、臨床実習で加茂に世話になったという木頭(坂東龍汰)の3人。彼らが歯科治療のカルテを使って、犠牲者の歯の状態と照合していく作業を進めていこうとしていた矢先に、2回目の「う蝕」がやってきた。遺体安置所や避難所までもが穴に沈む。またいつ次の「う蝕」にやられるかわからない危険性もあったので、コノ島に全島避難指示が出された。
まだ自分たちの仕事は終わっていないと、ここに留まることを選んだ歯科医師たち。そこに、役人の佐々木崎(相島一之)と、2度目の「う蝕」のニュースを聞いて居ても立ってもいられなくなった派手な出立ちの歯科医、剣持(綱啓永)が本土からコノ島に渡ってくる。
土砂を掘り起こす土木作業員が来てくれないことには、今、彼らにできる作業はなにもない。しかし、作業員たちは待てど暮らせどやってこない。現れたのは、思わせぶりに白衣をまとった久留米(正名僕蔵)という男。彼は言う。「この中に、ここにいるべきではない人間がまざっている」
オープニングの音とステージングが素晴らしい、、、
堀尾幸男さん美術でした、納得、大納得
掴みはOKでステージに惹きこまれるけど、セリフがなかなか出てこない。
『う蝕』って虫歯のこと。
島全体が口腔内なのか、、いろいろ考えながら観たけど、、
これも観た人それぞれに委ねる舞台かな。
1回だけなので、理解も薄い。
コノ島が『う蝕』によって浸食され、歯科医が歯形や治療根で死者の身元を見つけ出しているのであれば、自分の身体が見つからずにさまよう魂のことも解る。
新納さんのストレート舞台は本当に久しぶりに拝見しました。
顔ちっちゃいなぁ、とか、余計な事を考えてた。
坂東龍汰さん、 綱啓永さん、TVの中でお見掛けするよりずっと良い男だったなぁ。眼福。