2018年6月2日(土)と3日(日)に第67回全日本鍼灸学会学術大会(大阪開催)に参加しました。
今回は、千田は発表をせずにもっぱら勉強をしてきました。
今回は1時間30分~3時間の研修を中心に勉強をしてまいりました。
さて、婦人科系では「月経随伴症状に対する鍼灸治療と月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)に対する鍼治療」
当ルームにも鍼治療や認知行動療法を受けに毎月な数名の方が来られているので勉強のために参加しました。
鍼治療の方法もそうなのですが、日本人女性の約180万人が未治療で、お仕事をされている女性の経済的な損失額は年間1兆円になるということを聞き、企業としても対応をする必要があるのではないかと考えさせられました。
次に「ジストニアの鍼治療」:関西医療大学が行っている方法
まだまだ当ルームにはたくさん来られているというほどはありませんが、本当にこの疾患のために困られている方が多いためにこの研修は、次の慢性疾患の次に受けようと思っておりました。
さて、頸部ジストニアと上肢ジストニアに対しての鍼治療の方法の講義と実際の治療での実技やよくなっていく過程のビデオなどを見せていただいて、症状別に鍼を刺す場所や状態による刺しておく時間、集毛鍼(刺さないで刺激する鍼の一つ)による皮膚と筋肉の伸ばし方などとてもよく理解できる内容でした。
最後に「慢性痛治療に関する新たな展開 各領域におけるエビデンスと取り組み」
当ルームの専門の一つでもありまた、座長(司会)が4年前から当ルームで行っている「エビデンスと最新科学に基づいた痛みの鍼治療セミナー」の講師でもあられる明治国際医療大学鍼灸学部教授の伊藤和憲先生ともう一人の先生(個人名は出しません)が進行されたものです。
ここでは、運動療法、認知行動療法、鍼灸治療の3名の専門の先生がそれぞれの最新の方法や考えをご説明されました。
なお、慢性痛や線維筋痛症は現在は脳のかかわりが大きく、脳に対していかにアプローチするのかということが問題となっております。
運動療法では、運動を行うことで脳内で痛みを止める物質(細かな名称は省きます)が出ることがわかっており、また、有酸素運動がいいのではあるが、いやいや行うと物質がうまく出ないために、やりたい運動や好きな運動から始めるのがよく(報酬系といって脳が喜ぶことをする)その後、徐々に有酸素運動などを加える。
現在では、運動療法単独では痛みや機能障害の改善はむつかしいと言われ、教育(痛みのメカニズムなど)や認知行動療法を併用することで痛みや機能障害だけでなく、精神的健康も改善されるという報告がなされている。
認知行動療法では、鍼灸師が認知行動療法を理解している者は多くないために、認知行動療法の簡単なレクチャーから始まり、最新のエビテンスや現在行っている治療パッケージ(決まった技法を用いて8セッションで終了する)などの説明をされました。
最後に鍼灸治療では、特に鍼治療を行うことで脳内での物質がどのように変化するのか、また、脳から全身に痛みを抑える物質を出すことで痛みを抑える(下行性疼痛抑制系)ことや血流改善、自律神経の調整などが起こること説明をされました。
次に、鍼治療が脳活動に影響及ぼすという最新の情報もお話になられました。
ただ、やはり鍼治療単独ではなく、認知行動療法や運動療法を併用する必要があることも同時にご説明をされました。
慢性痛や線維筋痛症でお困りの方は、鍼治療、認知行動療法、運動療法の単独ではなく、なかなか少ないとは思いますが3つを用いて治療ができる鍼灸治療院での治療が重要になってきます。
今回の学会では、これ以外に専門であるストレス疾患やうつ病、不妊治療の発表なども聞いてまいりました。
余談ですが、会場で知り合いの大阪府鍼灸師会副会長(この方もストレス疾患が専門の方)とのお話で、なかなか鍼灸師で認知行動療法の勉強をしようという人は少ないね。という話から、どうすれば認知行動療法に興味を持って勉強する鍼灸師を作ることができるかという話題を会場の隅っこで話していました。
新横浜の鍼灸治療室
リスタ・コンディショニング・ルーム
千田 恵吾