最近の企業や労働組合、自治体などの依頼のメンタルヘルス研修で特に力を入れているのは、睡眠障害と疲労、自律神経の説明です。

この3つについてメンタルヘルス研修でご説明させていただいているのは、この後の各項目を読まれてわかると思いますが「身体からの注意しなさいよ」というサインととらえることができるからです。

ストレス疾患になる前のこの時に鍼灸治療を受けていただくとまだ、病気のレベルではないので有効だと思います。

うつ病や適応障害、心身症また、生活習慣病にならないためにも、身体からのサインがあったら対応をしてほしいので研修で説明をさせていただいているのと、リラクゼーションのトレーニング方法や認知行動療法のセルフケアの方法などの説明と指導をさせていただいています。

 

 

睡眠については、

厚生労働省が毎年実施している国民健康・栄養調査の睡眠についての項目を見ると、睡眠で休養が十分にとれていない者の割合は、平成 21 年で 19.4%、平成 24 年で 16.3%、平成 26 年で 21.7%、平成 28 年で 20.9%、平成 29 年で 21.9%であり、5人に一人の割合であるという結果が出ています。

睡眠で休養が十分とれていないという問題は、本人のつらさはもちろんです。

会社とっても無視できない問題でもあります。

睡眠で休養が十分とれていないということは、日中の眠気やだるさ、集中力低下、意欲の低下、パフォーマンスの低下また、交通事故や産業事故などを引き起こす確立の増加などの問題があります。

また、パフォーマンス(仕事効率・能率)が不眠症でない人と比べ3割ダウンしているというデータもあります。

 

次の問題は疲労についてです。

疲労は、痛みや発熱とともに3大アラーム(警告)の一つであります。ただ、痛みや発熱は割と早く対処しますが、疲労についてはどうでしょうか。

仕事をしていて疲れるのは当たり前、というようにあまり対処をなさらないのではないでしょうか。でも、先ほどの睡眠のところでも述べたように睡眠で十分休息が取れなかったりすると次の日まで疲れが残ってしまうことが多々あると思います。

それをそのまま対処せずに疲れがたまったままにしておくとうつ病や生活習慣病のリスクも高まることになります。また、身体的及び精神的なパフォーマンスの低下の原因の一つにもなります。

特に、鍼治療は有効な方法で身体の疲労はもちろんのこと、精神的疲労(脳の疲労)にも有効な方法の一つです。

 

 

最後は、自律神経について、

自律神経は、緊張や活動の交感神経と、休息の副交感神経からなります。

交感神経・・仕事で集中し、能力を発揮するために大切な神経。

副交感神経・・休息などでリラックスしたり、自然な睡眠をとるときに大切な神経。

自律神経は、常に交感神経と副交感神経のバランスをとりながら、仕事や対人関係などのストレスに対応しています。

このように、自律神経は様々なストレスに対応し、交感神経、副交感神経の働き方を介して重要臓器に指令を出し、心身の適切な状態を維持する上で重要なものです。

自律神経機能が乱れると、自律神経のバランスが崩れるだけでなく、 循環機能、代謝機能、消化機能、呼吸機能、体温調節機能、排泄機能、感情など心身の健康を維持する機能に問題が生じ、何も対応しないでいるとさらに進行し病気を引き起こします。

心身症やうつ病、生活習慣病、不妊症の治療を受けられている方の重要な問題など様々な問題や病気が生じます。

 

研修では、測定場所としてはふさわしくはありませんが、自律神経の測定機器を使用して、研修の参加者で希望者にも体験をしていただいたりしております。

ただ、時間的に全員とはいかないので希望者の中から2名程度の方を測定させていただき、他の方々は実際の自律神経の動きをスライドで見学していただいたり、例として、残業続きの疲労状態の自律神経やその他の疾患の例などもお見せしながら自律神経がいかに大切かを盛り上がっている中でお話をさせていただいております。

 

余談

私千田は心理士ですが鍼灸師でもあるので、休憩時間やお昼の食事の時間、研修終了後に時間があった場合などで、希望者の方には「鍼の体験」をしていただくときもございます。

鍼といってもパイオネックスという0.3mmとか0.6mmという短い張り付ける鍼です。

また、このような短い鍼でも刺すと自律神経が動くことを見てもらうこともございます。

ただし、毎回行っておりません。事前にやってもらえると言われれば、必ずやりますが、大体はその時の雰囲気で行うようにしております。

 

 

リスタ・コンディショニング・ルーム

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