事務所のネタ見せにおけるネタ尺(制限時間)は、だいたいどこも3分以内と決まっている。この3分というのは、観とる側にとっては(そのおもんなさゆえ)長く感じるかもしれないが、舞台に立っとる者にとっては驚くほど短い。最初に作ったネタの半分もできればいい方、特に〝間〟を重視したネタを持つ芸人にとっては極めて不利である。ただ…そこに文句をつける気はさらさらない。


 その制約の中で完成された漫才をするのがプロってもんだと俺は常々思っているからだ。


 しかし、いざネタ見せ会場へ出向くと、3分できっちり終わっている連中などほとんどいない。5分、6分、下手すりゃ7、8分ぐらいやってる輩もおるんではないだろうか。そしてなぜか事務所の人間もそれをあんまり厳しく言わなかったりする。まーそういうとこはだいたいネタ終わりの〝ダメ出し〟に命かけとるようなな~んもわかってないおっさんがふんぞり返っとるようなカス事務所やけどね。


 おもしろかったらネタ尺なんかアバウトでええとか思っとるんだろうか?


 あかんねぇ。疑えよ。そんな自分の感性とかこだわりとか疑ってナンボやろ。あれもこれも言いたいんはわかるけど、そんなもん結局は全部自己満足やで。


 言わしてもらうけど、俺なんか信じとるもんいっこもないからね、世の中の出来事はおろか自分自身さえも。疑って疑って疑いの境地に達したうえで、あえて自分を過信しとるにすぎんからね。