皆さんに大事なお知らせがあります。
僕の相方、吉尾信介が亡くなりました。
急すぎて嘘だと思われるかもしれませんが、本当の話です。
僕も遺体を見るまでは半信半疑でした。悪い冗談であってほしいと思っていました。
でも、本当でした。
死因は突然死で、予見できない類いのものらしいです。寝てる途中で苦しがり、そのまま亡くなったそうです。

その前日は、ネタ見せとライブがあり、普段通りの感じだったので、知らせを聞いた時は本当に信じられませんでした。疲れている感じなのはいつものことだし、それは僕の方もお互い様なので、まさか次の日死ぬなんて思いもしませんでした。

吉尾は綺麗な顔をしてました。いまにも起きあがってきそうな、寝てるだけのような顔してました。僕がボケたら、パッと目を見開いて「なんでやねん!」って今にも言いそうな顔してました。

前日はお昼からネタ見せでした。あいつは緊張しいだから、いつもネタ見せになると漫才のテンポが早くなるんです。今回もそうだったので、夜にあるライブ会場に一緒に向かう途中、「さっきはテンポ早かったぞ」とかいろいろダメ出しをしました。でも、夜のライブでは同じネタでもちゃんとしたテンポでできて、ちゃんとウケました。ライブ終わりの別れ際はいつも通り、次に会うライブの確認をし、いつも通り別れました。

それが次の朝、相方の携帯から電話があり、出てみると相方の奥様からで「吉尾が亡くなりました。」と聞かされました。
その時は、あまりにも動揺してしまい、まともな意識を保つことができなかったです。

何か自分の心にぽっかり穴が空いたような感じでした。出演が決定しているライブ主催者には分かる範囲で連絡を入れ、ぼーっとあいつとの思い出を思い浮かべてました。

初めて話した大学一年の時の飲み会で異様に意気投合したこと。
俺が大学卒業する時に酒の席で「一緒にお笑いやらんか」という話になったこと。
M-1の敗者復活戦の時、あいつがネタ飛ばして大喧嘩になったこと。
それからずっと喧嘩ばっかりで俺のワガママであっさり解散したこと。
それでもあいつはもう一回やろうって俺の方から言ったとき、詳しい事情はなにも聞かずに「わかった」とだけ言ってくれたこと。

あいつは優しいやつでした。

あいつと一緒に、漫才でテレビに出たかったです。

人間は死んだら終わりなんです。

まだ、この報告が「また喧嘩して解散してしまいました!」であった方が、どれだけマシか分かりません。生きてる限り、やり直せるんですから。

死んだらもう漫才できないんです。

僕はあいつと漫才がやりたいです!

ネタのことで意見がぶつかったり、すべって喧嘩もよくしたけど、そのこと自体が幸せだったということに、あいつが死んだ今それに
気づかされました。

今までルサンチマンを支えて下さった皆様、応援してくださっていた皆様、ライブでネタを観てくださった皆様、本当にありがとうございました。
もし嫌じゃなければ、皆様の記憶の片隅に、ルサンチマンという売れない漫才師がいたことを残しておいていただけたら嬉しいです。

そして吉尾へ、俺のようなどうしようもない人間と15年も付き合ってくれて、本当にありがとう。