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アナンタラボプットの門は、異界への入口です。
幻想的な蓮池、それを渡る橋があり、その向こうにはさらに見張り台のような門が聳えています。
門から見えるのは生い茂る熱帯の木々だけ。
まだリゾートの姿を窺うことはできません。
さながらジャングルのような植栽の脇を抜けると、ようやくその先に3匹の猿たちが見えてきます。
ビル・ベンスリーの仕掛けは、こんな風にお出迎えから始まります。
ある朝、朝食のあと、散歩に出かけました。
するとロビーにスタッフがわらわらと行き交っています。
向かう先は正門方面。
どうやらただの出勤風景ではなさそうです。
気になって、人の来る方へと歩いてみました。
何やら大勢のスタッフと、スタッフでは無さそうなタイの方々も大勢集まって、祠の飾り付けをしたり、お供えをしています。
祠の中には金色の仏像が祀られており、鮮やかな黄色い花のレイで飾りつけられていました。
そこはホテルの敷地内ではあるけれど、2つ目の門のすぐ内側なので、ホテルの正門をくぐれば誰でもアクセスできる場所です。
元々この地域の守り神だったのかな?と思うような趣のある祠なので、見張り台に見えていた門すら、お寺の山門に見えてくるから不思議。
祠の周りの人々はゲストの私に気遣う風もなく、少し近寄りがたい雰囲気だったので、そのまま引き返すことにしました。
ふと思い立ち、ロビーへ戻る途中にすれ違ったスタッフの女性に尋ねてみます。
「Is there any festival over there ?」
(向こうで何かお祭りでもあるのですか?)
すると返ってきたのは意外な答え。
「No, we’re just praying.」
なんてシンプルで清々しい答えなのでしょう。
朝早く、あんなにたくさんの人が、「ただお祈りするため」だけに集まっていたことに、少なからず感動しました。
きっと毎朝の習慣なんですね。
お祭りなら参加したい!なんて気持ちでいましたが、中途半端にお詣りしなくて良かったかな。
どこに行っても土地ごとに信仰があって、旅に出るとそれを垣間見ることができる。
それも旅の楽しみの1つかなと思います。
祠のすぐ後ろに巨大なバンヤンツリーが聳え立っているのも、偶然ではないのかもしれません。
バンヤンツリーの和名は「菩提樹」。
仏陀が悟りを開いたとされる木です。
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温泉あります。
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