レゾナンスリーディング渡邊康弘です。 
本日の1冊は、『獲る・守る・稼ぐ 週刊文春危機突破リーダー論』新谷学さんの1冊です。 この新谷さんといえば、『週刊文春編集長の仕事術』という本がありまして、そちらが面白かったわけですが、ええ、今回は光文社さんからの出版となります。



スクープを獲り、炎上から守って、デジタル出稼ぐというのは、メディアだけでなく、一般の企業でも大事なところですね。
ビジネスモデルの構築からブランディングまで、文春さんがどうされているのかわかる一冊となっています。なぜ、ここまで、世の中を動かすスクープが連発できるのか?
その新谷さんの経営の哲学がすごくわかる1冊になっております。

まずはじめに、「論語と算盤」という話をされています。
「論語」というのはブランディングで、算盤というのは「マーケティング」。
これまでの広告収入を得る、本誌を売って稼ぐ「販売収入」というビジネスモデルがうまくいかなくなっているからこそ、違った新しい視点が必要。

スクープDX時代の中で「稼ぐ仕組み」を整える。
プラットフォームから主導権を取り戻す。コンテンツを届ける流通経路を増やすために、ヤフーニュースやLINEニュース、文春e-booksなどで、デジタルで収入を得る。
収益構造を変えるには、組織変革が必要で、横に連携すること、マネジメントとして
「こうしろ」という命令をせず、すべて任せる。感想を伝える、提案もするやり方が望ましいとのこと。

編集局長の仕事
1筋のいい戦略を立てる
2その内容について編集長としっかり話し合い、コンセンサスを得る
3戦略を実現する上で最適なチームを構想する
4人事・実務面で社内調整と根回しをする
5あとは編集長を信じて任せる
6トラブルが起きたら出ていって収める。場合によっては自ら責任をとる

数字から逃れない。PVを稼ぐということも大事だけど、PV中毒になってはならない。
論語(ブランディング)と算盤(マーケティング)。
ブランディングは、その会社らしさ。その会社でなければならないこと。
東洋経済なら、石橋湛山。文春なら、菊池寛。
創業者のDNA、菊池寛の「面白がりの精神」が大切。正義の味方だ、錦の御旗を持ち出してしまうと週刊文春の面白さが失われる。正義感よりも、「好奇心」。
ここがブランディング。そして、PV数を稼ぐマーケティングとのバランスが重要。

スクープには
「意義がある/ない」「売れる/売れない」の評価軸がある。
インターネットで情報がタダになっている時代。ニュースはタダとなっているが、
本当に価値がある情報には元手がかかっている。無料で公開できない。
お金を払わなければならない情報もたくさんある。

大きな風が吹く前の小さな変化を見逃さない。
売れるタイミング、売れる場所を見極めて、重点的に伸ばすこと。

いやぁ、非常に学びになる一冊でした。おすすめです。