ボディタイプを判定する際に、チェックすること
1;補足
重心軸(優位側)の判定をします。
姿勢観察、動作中の運動軌跡、戦略とか。
頭部、四肢の他動的操作
四肢の場合は肩甲上腕関節、股関節の屈伸時の、求心軸の位置でチェックし、長軸方向への圧に対する反応をみます。
頭部は、頭頂部を脊柱へ向かい圧迫し、その反応をみていきます。
加えた圧が、前方を通っていくのか?後方を通っていくのか?
前方を通れば、前方軸、後方を通れば、後方軸。
両肩から下方に押し付けて反応を見る方法もあります。
静的肢位から動的場面にうつる際に、重心線が脊柱前方を通れば、屈曲モーメントがかかった状態で、先行性姿勢制御が働くため、動力の支点は前方に位置します。
結果的に、前方への運動(屈曲)のスタビリティとモビリティのバランスがとれるため、初動時の安定性、強さが増します。逆に前方軸での後方への運動(伸展)では、運動の視点が遠くなり、良好なスタビリティが得られないため、初動時、安定性なく、強さも減ります。そして、遅れて出力が上がってきます(筋の加重)。
左右の場合は、重心線が寄っている軸側では、内転優位となり、非軸側は外転優位となります。
2:補足
○アライメント
下顎変位;右軸の場合、下顎は左側変位します。
右半身が後方軸、左半身が、前方軸の場合、下顎肢と乳様突起の距離をチェックしますが、
右側が引け、左側が前に出ます。1横指弱のズレがみられます。
なお、左右共に、後方軸の場合は、共に後方に引けますが、軸側(仮に右とすれば)が
半横指ほど後ろに引けています。
胸鎖関節;鎖骨頭の高さに差が出ます。前方軸のほうがより高位になります。
こちらも、左右前方軸の場合、軸側(仮に右側)が半横指弱ほど高位となります。
肩甲骨内側縁;脊柱棘突起との距離をみます。軸側(左右)の棘突起と内側縁の距離が縮まっています。
上前腸骨棘;右前方軸、左後方軸の場合、右側の方が1横指弱ほど高位にあります。
上後腸骨棘;仙骨棘突起との距離では、軸側(左右)との距離が縮まります。高さは、前方軸側が高位となります。
膝蓋骨;前方軸側が後方軸より低位となります。
距骨;前方軸側は、後方変位し、後方軸側は前方変位します。
第1中足骨頭;前方軸側では、頭側変位(母趾基底骨が下方変位)、後方軸では下方変位(拇趾基底骨が頭側変位)します。
以上、わかりやすい部分です。
筋出力
上記の表記であらかた書きました。初動時の出力様式と強さ、触診による筋の弾力等を評価します。
筋腹の高さ等に差が出る部位もあります。大胸筋、腹直筋、大腿四頭筋はわかりやすいです。
そして、一番わかりやすいのは、前脛骨筋と腓腹筋です。前方軸では前脛骨筋の筋腹の高さが高位となります。逆に後方軸では、腓腹筋の筋腹が高位になります。
運動戦略
こちらも上記の重心軸の話であらかた書きました。ボディタイプで優位な軸で、先行性姿勢制御が入ります。ゆえに、運動軌跡、戦略は、軸側で優位な支持をした状態となります。
性格
これについては、ほんと主観の領域を脱していません。ただ、傾向は見られます。
右軸の場合、保守的、左軸の場合、革新的。右軸の場合、利己的、左軸の場合利他的思考を取りやすいと感じます。
また、右半身はプライベート、左半身は仕事とすると、右半身の方が前方軸、左半身の方が後方軸の場合、プライベート重視の方多いです(笑)
ちなみに、僕は左軸優位、、右後方軸、左前方軸なので、革新的であり、利他的であり、プライベートよりも仕事を優先してしまう人です…
顔貌
軸により筋活動に優劣がみられますので、当然、表情筋にも差がみられます。
後頭前頭筋、雛眉筋、大頬骨筋、口角下制筋、眼輪筋、口輪筋等に差がみられます。
ほうれい線の長さ、角度、目じりの高さ、角度、顔の皺の数々…ボディタイプによって特徴が出ます。
これは、来年のリアル臨床で発表予定です。
眼球運動
ボディタイプにより、外眼筋の働きにも差があります。
まずは、静的な黒目の位置ですが、軸側(左右)の黒目は内転し、非軸側は外転します。前方軸側は、下転し、後方軸側は上転します。
左右ともに前方軸の場合、右軸優位であれば、右側の方が下転します。
動的場面でも確認でき、優位な方向への眼球運動はスムーズな動きをするのに対し、劣位な方向への
運動では、眼振様の動きが見受けられ、緩慢です。
呼吸様式
これもシンプルな紹介にとどめます。勉強不足なんで。
前方軸側(屈筋優位)は、呼気優位、後方軸側(伸筋優位)は、吸気優位です。
胸郭拡張差を観察するとわかります。聴診でもわかります。打診でもわかるか。
ボディタイプの表記の仕方。
左軸優位なら、L(Left)。右軸優位ならR(Right)。前方軸ならA(Anterior)、後方軸ならP(Posterior)とし、
R-AP(左右の優位軸-右半身の軸、左半身の軸)のように表記します。
だんだん、怪しい感じになってきましたね。続く。