これも私が担当した方ではないのですが…。
糖尿病にて当院かかりつけの男性。
普段はアマリール(1mg)4T、ベイスン(0.3)3TでHbA1c 7.0くらいにコントロール
されています。10日前より食欲不振、下痢、心窩部痛あり。
本日右季肋部に痛み、意味不明な言動が聞かれたため救急車で来院。
体温37.4℃、血圧 94/74、呼吸数 18回、脈拍 126回、SpO2 97。
意識は覚醒しており、会話は成立する。
項部硬直なし、神経学的所見ではfocal signなし。
臍の右側に圧痛、筋性防御(±)?
胃腸炎の印象、という記載があり、採血が行われていた。
採血結果:WBC 13100、Hb 11.4、BUN 43.9、Crea 2.3、Glu 820、CRP 7.7、尿ケトン(+)、
ABG:pO2 78.9、pCO2 34.7、HCO3- 24.7、pH 7.4
胸部Xpポータブル:浸潤影なし、心拡大なし。
非ケトン性高浸透圧性昏睡、腎前性の腎機能障害と診断されました。
来院時に血糖チェックすべきですよね^^;…。
まぁ、それは置いといて、実はこれで終わりじゃなかったんです。
入院後交代した担当医が腹部を診察して、“硬い”と判断しました。
緊急CTを撮ったところ、perforationが明らかになったのです!
十二指腸潰瘍の穿孔でした。
この患者さんは緊急手術となり、無事回復されてきています。
今までそこそこにコントロールされていた患者さんが、高血糖となる
原因に感染症がありますが、この方はそれが腹膜炎だったのです。
初めの担当医はまったく考えていなかったようでした。
教訓は、glucose 820に目が行ってしまい、
本来の患者さんの主訴、腹痛が軽視されてしまったことが
今回の問題であっただろうという事です。
糖尿病もあり、高齢であった事から訴えが強くなかった可能性があります。
救急外来では、異常な高血糖、吐血や黄疸と言った派手な所見の裏に
大切な所見が見落とされる事がないように気を付けなければいけませんね。