セロトニン症候群は、SSRI等、セロトニン濃度を上昇させる薬剤を内服した場合に

稀にみられる副作用です。複数の同じ機序を持つ薬(MAO阻害薬エフピーや

三環系抗うつ薬、augmentationに用いられるブロモクリプチン等)を併用した場合

比較的よく起こるとされています。


症状としては、焦燥、錯乱、幻覚、ミオクローヌス、発汗、振戦、下痢、発熱。

また、自律神経症状として頻脈、高血圧、頻呼吸、散瞳、顔面紅潮、腹痛

等が見られます。


こうして見ると、悪性症候群(NMS)とそっくりじゃないですか?

ワシントンマニュアル精神科サバイバルガイドによると、

『硬直またはクレアチニンキナーゼの上昇がないことにより

NMSと鑑別できる』

とあります。


なるほど、これなら分かりやすいです


しかし!


同じくワシントンマニュアルによると、


筋硬直、開口障害、後弓反張等が起こることがある』


『重篤な場合DIC、横紋筋融解症、腎不全、呼吸不全、ARDSを合併する事がある』


そうなのです。筋硬直があって、横紋筋融解症があったら、NMSとどう違うのでしょう。

つまり、重症型、合併症により、NMSと全く見分けがつかない症状が起こりうる、

という理解で良いのでしょうか。私はそう考える事にしました。


最後に、今日の治療薬2005に載っている、セロトニン症候群の診断基準を紹介します。

これによれば、抗精神病薬を飲んでいないことが診断のひとつとなっており、

セロトニン症候群は除外診断である、と考えることが出来ます。


①薬の処方、増量と一致して以下の症状の少なくとも3つが認められる。

精神状態の変化(錯乱、軽躁状態)、興奮、ミオクローヌス、反射亢進、

発汗、悪寒、振戦、下痢、協調運動障害、発熱。


②他の原因(感染、代謝疾患、物質乱用やその他の離脱)が否定的。


③上記臨床症状出現前に、抗精神病薬の投与やその用量の増加がないこと


他の合併症がなければ予後は良好で、通常原因薬物の中止のみで

70%は24時間以内に回復します。症状によりペリアクチン、プロプラノロール、

ジアゼパム、ダントロレンが用いられる事があります。


※ペリアクチンはセロトニン拮抗薬