使いやすいSSRIですが、本剤の内服開始については色々な場所でその方法を確かめる
事が出来る割に中止の方法についてはあまり述べられていないように思います。
本当に重症のうつ病では、精神科の先生は高血圧や糖尿病と同じように抗うつ薬を
一生飲む事を推奨しています。初発ではともかく、2回、3回と繰り返す大うつ病エピソード
では、再発の可能性は非常に高いからです。しかし、何とかして薬を中止したいと
思うのは当然だと思います。また、薬の効果が思うように出ない場合も、他剤を開始
すると共にSSRIの減量、中止が必要となります。その場合ご参考になればと思います。
SSRIを突然中止すると、『離脱症状』が出る事があるのはご存知だと思いますが、
どれくらいの割合で、どんな症状が出るかわかりますか?
…などと偉そうに言っていますが、私も知りませんでした。
離脱症状の多い、パロキセチン(パキシル)の場合、どうやら25%もの患者さんに
離脱症状が出るようです(英国の添付文書)。
具体的な症状は、不安、焦燥(じっとしていられないようないらいらした感じ)、
衝動性(物を投げたくなるような感じ)、不快気分などの精神的な症状や、吐き気、
頭痛などが見られることがあるようです。薬を中止して、通常数日以内に症状が出ます。
文献から、パキシルを20mg飲んでいる場合の、離脱症状を出さないための減量法を記しておきます。
(Pacheco L,et al.Can J Psychiatry 48;129-130,2003)
減量開始~20日 パキシル20mgと15mgを交互に
21~40日 15mgを毎日
41~60日 15mgと10mgを交互に
61~80日 10mgを毎日
81~100日 10mgと5mgを交互に
101~120日 5mgを毎日
121~140日 5mgを隔日
…何とも面倒くさいですね。実際にこんな事やってる人がいるとはとても思えません。
4人に3人は離脱が出ない訳ですから、1月に10mgずつ減量とか、
せいぜい2~3週間ごとに5mgずつ減量、離脱が出たらもっと慎重に減量する
というのが一般的だと思います。
(ちなみにパキシル5mg錠はありません。割るか砕くしかありません。
ちなみにデプロメール(ルボックス)はもう少し早く、2~4週間で中止してもOKという
ことです。例えば1週間ごとに、150mg⇒100mg⇒50mg⇒中止。
これ、精神科の先生はちゃんと患者さんに説明しているのかなぁ。