今回は主にACLSを学んでいない1年目の研修医の先生向けの内容です。
もちろん、看護師さんもわかっていた方が良い内容です。
PEA(Pulseless Electric Activity)とは、日本語では無脈性電気活動、
心電図で心臓は動いているんだけど脈がない状態を言います。
心臓は収縮しているんだけど血液は全身に流れていないので、
実質的には心静止(asystole)と同じです。
PEAの予後は一般的に悪く、比較的予後の良いVfやpulseless VTはこの定義に含まれません。
まずやることはABCです。病院の中であればアンビュー⇒挿管、心臓マッサージ、
ルートキープです。ルートが取れたら、“医者の判断による輸液負荷”を試みます。
通常、生理食塩水500mlを急速静注します。
使用する薬は2種類だけです。ボスミンとアトロピン。
ボスミンは1mg、1Aを3分から5分おき。
アトロピン1mg、1Aを3~5分ごと。0.04mg/kgまで。
アトロピンは何でもかんでもやるのではなく、絶対的、相対徐脈がある時に考慮します。
相対的とは、ショック状態にもかかわらず脈が80回とか、そういう場合です。
高カリウム血症ではメイロンも使います。
それに加え、大切な事は、救命出来る原因を探すことです。
中山書店から出ているACLSプロバイダマニュアルには、PEAの際に
まず10の疾患を思い浮かべろ、と書いてあります。
これらには、正しい処置により救命出来る疾患があります。
①循環血液量減少(出血など)
②低酸素血症(頻度が高い)
③アシドーシス
④高/低カリウム血症
この辺りは採血で容易に診断出来ます。
⑤低体温
これも深部体温、その前に病歴でだいたいわかりますね。
⑥薬物過量
⑦心タンポナーデ
狭いQRSの頻拍で疑います。echoですぐ診断出来ます。外頸静脈の怒張はほぼ100%に
みられます。吸気時の血圧低下(奇脈)は95%でみられ、診断的意味があります。
⑧緊張性気胸
突然発症した胸痛、呼吸困難、チアノーゼ、皮下気腫、患側胸郭の著明な膨隆で疑います。
呼吸音が消失します。
⑨急性冠症候群(心筋梗塞、不安定狭心症)
⑩血栓症、肺塞栓
胸痛があればまず⑧⑨⑩を思い浮かべます。
覚え方もいくつか書いてありましたが、割愛します。この丸暗記が
患者さんの命を救う事がありますので、必ず覚えましょう。
⑦や⑧は診断がつけば針1本でも命を救う事が出来る病気です。
なんて実は私も覚えたのは今の病院に来てからなんですが…。