第211回肺がんYouTube相談会Q&Aリスト
Q211-1
[12:45] 手術前の飲酒と運動について。 禁酒を急にするとせん妄リスクが上がるか?
A211-1
焼酎1合程度の適度な飲酒は大丈夫だが、入院中は禁酒となる。[14:23] 運動は、ふくらはぎのむくみ等で長く歩けなくても、ベッドでできる手足の曲げ伸ばしなど、可能な範囲で早期から行うことが大切。[01:04:49]
Q211-2
[20:42] 免疫チェックポイント阻害薬(イミフィンジ)について。 副作用が少ないが、従来の抗がん剤と同じく強い薬に変わりはないか?
A211-2
作用機序が全く異なり、患者自身の免疫力を強めて癌を攻撃する薬。[20:52] 効きすぎると自己の細胞を攻撃する免疫関連の副作用(IrAE)が起こるリスクがあり、早期発見が必要な「強い薬」であることに変わりはない。[22:15] わずかでも副作用が出た方が、裏返しとして癌への効果も強い傾向にある。[23:27]
Q211-3
[28:10] EGFR-TKI後の二次治療について。 免疫チェックポイント阻害薬にすぐ移行しないのは、間質性肺炎のリスクが高いためか?
A211-3
EGFR変異陽性者は免疫チェックポイント阻害薬が効きにくい傾向がある[30:40]こと、またTKI後に続けて使用すると間質性肺炎などの免疫関連事象が起こりやすい傾向があるため。[31:08] 安全性を考慮し、連続して使わない方が無難と個人的には考える。[32:20]
Q211-4
[37:37] 放射線治療後の咳について。 放射線化学療法後、イミフィンジ開始後に毎日咳が出る。これは放射線の副作用か?咳止めを飲んでも良いか?
A211-4
咳は放射線肺臓炎またはイミフィンジによる薬剤性肺炎の可能性がある。[39:16] この症状は非常に重要なので、明日にでも病院に相談し、レントゲンやCTで炎症がないか確認してもらうべき。[38:09]
Q211-5
[42:18] すりガラス状結節(GGO)の大きさの判断について。 1mm程度の縮小で、医師からは誤差との説明。増大・縮小の判断基準は?
A211-5
[42:50] 1mm程度の大きさの差は、息止めの仕方などによる誤差の範囲内である可能性が高い。診断医が1mm間隔の画像で最大径を測っているので、その報告を信頼するのが一番良い。[45:01]
Q211-6
[46:37] アリムタ(ペメトレキセド)の治療中止について。 血球低下でアリムタを中止する可能性があるが、奏効率などに違いが出るか?
A211-6
アリムタは腎機能悪化や骨髄抑制のリスクがあるため、長く続けられない人も多い(8〜9ヶ月程度)。[47:18] 副作用で中止する場合、奏効率には大きな差はないという印象。主治医の判断は正しいと考えられる。[48:13]
Q211-7
[48:23] EGFR-TKI耐性後の遺伝子変異について。 一次・二次治療が効かなくなり、再度の遺伝子検査を予定。治療中に遺伝子変異は変わることがあるか?
A211-7
遺伝子変異は変わることがある。[49:32] 特に治療に耐性ができた後、新しい遺伝子変異が見つかる可能性があるため、再検査の方針は正しい。
Q211-8
[50:52] 進行癌の癌性リンパ管症の疑いについて。 4次治療まで進み、息切れで癌性リンパ管症の疑い。抗がん剤を続ける以外に治療法はあるか?
A211-8
癌性リンパ管症は進行した状態。診断のための確定検査は通常リスクが高く行わない。[51:54] 息切れに対してはステロイドを使うことで症状が緩和される可能性がある。[52:04] 抗がん薬はほとんど使い切っている状況と考えられ、主治医とよく相談すべき。
Q211-9
[53:51] 抗がん剤後の末梢神経障害について。 パクリタキセルの副作用で足の裏の感覚が鈍い。改善方法と術後の転倒リスクは?
A211-9
パクリタキセルの副作用(末梢神経障害)によるもので、改善方法はあまりない。しびれ止めなどが使われるが、ひどい場合は薬の中止も必要。[0m54:10] 術後は入院生活で筋力が落ち、転倒リスクは上がる。早期からリハビリや歩行訓練を意識して行うことが重要。[01:04:49]
Q211-10
[01:02:04]小細胞肺がんステージ4の予後と終末期ケアについて。 治療が限られた状態。あとどれぐらい生きられるか?死ぬ前は痛みで苦しむのか?
A211-10
遠隔転移がある場合の5年生存率は一般的に約5%と非常に厳しい状態にある。最近は免疫チェックポイント阻害薬の併用で10%程度に改善しているがまだまだ厳しい現状である。[01:02:53] 痛みや苦しみは緩和ケアで必ず対処できる。[01:04:02] 症状があれば医療者に伝えれば、症状を緩和する処置をしてくれるので、コミュニケーションを取り、苦痛を乗り越える手助けを得ることが大切。
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