論文No263

Improving the Predictive Accuracy of Identifying Exudative Effusions

Carlos E. Kummerfeldt, MD; Cody C. Chiuzan, MS; John T. Huggins, MD; Matthew L. DiVietro, MD; Jennings E. Nestor, MD; Steven A. Sahn, MD, FCCP; Peter Doelken, MD

Chest. 2014;145(3):586-592. doi:10.1378/chest.13-1142

アメリカからの報告.

Lightの基準を使うと胸水が漏出性なのに滲出性と判定されてしまうことがある(とくに心不全).

診断率を上げるため,血中→胸水のアルブミン(SF-A),タンパク(SF-P)の勾配を調べた.

1153名の患者の胸水をしらべたところ,

滲出性胸水と診断するためには,

LDH,SF-A勾配,SF-P勾配が有用であった.

多変量解析では,LDHのORは14.09,SF-A勾配のORは7.16,SF-P勾配のORは6.83であり,AUC

は92%であった.

<感想>

心不全においてLightの基準を使うと漏出性が滲出性と判定されてしまうことがあります.

心不全が疑われるときの胸水では,まずLDH,ついでSF-P,そしてSF-Aを検討すると間違いが減るのではないかと筆者らは述べています.

ちなみにLightの基準は,胸水において

① 胸水/血清総蛋白質>0.5
② 胸水/血清LDH>0.6
③ 胸水LDH>血清LDHの正常上限の2/3

上記のうち1項目を満たせば 滲出性      というものです.