知床羅臼岳でのヒグマとの人身事故を受けて、
知床連山ある3つの登山口、知床五湖、カムイワッカ湯の滝が当面の間、閉鎖されることになりました。
被害者を襲ったと思われるヒグマは駆除されていますが、
駆除されたクマはたまたま被害者の近くにいただけで、
加害熊は別にいる可能性が0%ではないため、
DNA鑑定で同一個体と確認できるまで閉鎖が続くことでしょう。
斜里町役場のHPなどで一番直近の情報を見ると、
この事故が発生する数日前に、
「熊スプレーを噴射したにもかかわらず数分間、付きまとわれた」人がいたみたいですね。
これだけだと、ちょっと情報が少なくて、
①スプレーはクマの顔にあてた上で付きまとわれたのか?
②顔には届かない距離で、威嚇のような感じで噴射してクマが逃げなかったのか?
もう少し遭遇した時の詳細な情報が欲しいところですが、
もし、今回の事故が起きていなくても、この情報を見て登山は断念したでしょう。
情報発信って難しいですよね。
何処が有益な情報発信をしているのか?
それを知っていなければ事前に知ることは出来ませんし、
もし「熊スプレー携帯は必須。自然センターでレンタル出来ます」と登山口に書かれていたとしても、
わざわざ引き返してスプレーを借りて戻るなんてことをする人はいないでしょうし。
「今まで登山や知床国立公園内でヒグマに襲われた人はいない」
この情報は表面上正しい。
でも、「以前は人を見たらヒグマは人を避ける」が「最近は人に近づいてくるクマがいる」というように中身が変わっている。
知床を知っている人ならこれは常識の知識ですが、初めて訪れる人にとっては常識の知識ではない。
何故、ヒグマの行動が変わったのか?
行動が変わるには理由があり、原因がある。
この理由を突き詰めていくと…、観光客からのエサやりなど「人間の行動の変化」に行きつくのです。
今、活動拠点にしている「木曽駒ヶ岳」のライチョウも、絶滅原因は「人間」。
登山者のゴミ捨てなどにより天敵のニホンザルを呼び寄せたことも絶滅理由の一つと考えられています。
人間は元々自然の中で暮らしていた。
自然を体感するということは人間を取り戻すことだとも考えています。
木曽駒ヶ岳のライチョウたちも多くの人に見てもらいたい。
知床のヒグマも、可能なら多くの人に見てもらいたい。
これほどの大型動物が数多く生息できる知床の自然の豊かさを体感してほしい。
お互いが不幸にならないように安全な距離感を保って。
「木曽駒ヶ岳の自然とライチョウ復活プロジェクト」を中心にしているYouTube活動ですが、
時々、知床を取り上げているのは、「ゴミ捨て、エサやり問題」への注意喚起をする上で、
この問題を取り上げやすい場所だから…というのもあったりします。
今月中に予定している知床短期滞在も、
この「ゴミ捨て・エサやり問題」をどんな感じで動画内に入れていこうかなぁ、と考えていましたが、
実際に人身事故が起こってしまった直後…。
各遊歩道の閉鎖が解除されたとしても、
今、この場所の動画を挙げることが良いのかどうか…。
悲しい事故が起きてしまったからこそ、注意喚起を含めた動画を挙げるべきなのか…。
影響力なんて何も無い無名のYouTuberながら、どうするべきなのか悩んでいます。