現代の環境と古代の環境のミスマッチには色々なものがあります。

 

過剰な人口密度

大気汚染

微生物との触れ合いの減少

濃密な人間関係の減少

近代的なビル

スマホなどの電子機器

 

そのすべてに対策を取る事は現実的ではありません。

現代人への影響が大きい2つのポイント、それは「自然」と「友人」です。

 

ここでは「自然」に絞ります。

人類は狩猟採取時代に適した身体をしています。

自然の中で暮らすことに適した身体をしています。

だからといって、現代人に「森の生活」を始めるわけにもいきません。

今の生活の中でどれだけ自然を取り入れていくことが出来るか模索していく事が

現実的な対処方法です。

 

面白い実験結果が本書に載っています。

60人の学生に難解な数学を解かせた後、

半数には緑が豊かな公園の「画像」を5分だけ見せ、

半数には都市の光景を眺めるように指示しました。

その後、自律神経を計測したところ、

公園の写真を見せた学生は2倍も副交感神経が活性化し、

心拍数が低下する結果が出ました。

「偽物の自然」であってもリラックス効果がある事がわかりました。

 

オフィスワーカーのデスク上に「観葉植物」を置く実験では、

観葉植物が置かれた従業員ほど主観的なストレスが低く、

病気で会社を休む事が少なく、仕事の生産性まで高い傾向が見られました。

また、肌荒れが減ったとの報告もあり、

副交感神経の活性化によって「炎症」が治まったことが大きいようです。

さらに観葉植物には幸福度のアップや集中力を上げる効果もあり、

作業効率が38%上がったという実験結果も書かれています。

 

「緑豊かな公園」を使った実験では、週に1回30分ほど自然の中にいれば、

自然との触れ合いがない人に比べて鬱病の発症リスクが37%低下し、

高血圧の場合は、週に1回30分のラインを超えたあたりから症状が改善されていくようです。

 

なんとなく体が怠い。

疲れた。

そんな時、なんとなく家でボーっとダラダラ過ごす事がある人は、

その同じ時間を、近くの公園へ行ってボーっと過ごす時間に当ててみてください。

きっと疲れやだるさが改善されると思います。