滑落、行方不明、疲労凍死、落石…山での事故で、

怪我をする人、亡くなる人、大事な人を亡くす人…

それでも、人は山に登る。三歩がいる山にやってくる―

 

毎月1冊づつ発売されていく「岳 完全版」の2巻。

 

三歩「10秒したら、また点灯。これを一分間くり返して、次の一分は消灯。

    これが遭難信号」

 

へぇ、そうなんだ…、と思ったこのセリフ。覚えておいたほうがよさそうです。

昼間は同じ感覚で「笛」もしくは「何らかの大音量」を立てるようです。

なんらかの大音量…は難しいので、やはり笛ですね。

今は難易度のかなり低い日帰り登山しかやっていませんが、

「笛」と「ヘッドランプ」は常時、持参しています。

ちなみに遭難信号に気付いた場合は20秒に1回、

発光もしくは発呼して相手に応える応答信号になるようです。

 

これ以外での印象に残った場面は…

 

エベレストへの登頂目前に恐らくは助からないだろう瀕死の遭難者に遭遇する三歩とアンディ。

年齢的に無酸素登頂が最後のチャンスとなっているアンディは

「登るのも下りるのも自分の責任。俺たちはそういう場所にいるんだ」と言って山頂を目指し、

三歩は「オレはオレの責任で下りる」と遭難者を担いで下山を始める。

 

隊長  「過去二度のエベレスト挑戦を二度とも他の隊の救助で断念している。

      結局遭難者は助からなかったが…。

      君の過去のエベレストは本当に失敗だったのだろうか?」

アンディ「隊長…。頂上がそこに見えているよ…。もう1時間以内の距離…」

アンディ「オレは…、山を始めたからエベレストに登っているじゃなくて、

      エベレストに登りたくて…山を始めたんだ」

隊長  「でもな…、三歩のヤツに…ベースキャンプで聞いたんだ。

 

隊長  「ずいぶんと楽しそうだな。登頂してきたヤツみたいだ」

三歩  「楽しいよぉ~、そりゃ

      ここ(ベースキャンプ)だってエベレストでしょ。頂上までぜーんぶエベレストじゃん」

 

隊長  「そう言っていたんだ、三歩が」

 

隊長からの無線にアンディも三歩と下山。

結局遭難者は下山途中で死亡したが「よく頑張った」とベースキャンプで二人を迎える隊長。

 

この場面の「ここだってエベレストでしょ。山頂までぜーんぶエベレストじゃん」というセリフ。

山を登る人にとって、色々な意味ですごく大事な言葉ではないかと思います。