北十字の旅と音楽会記録が中心の日記 -3ページ目

北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いています!

今日は生憎の雨模様。4時半起きで朝食をとったあと、羽田へ。7時半の伊丹の第2便で大阪へ。

空港の手荷物受け取りのレーンの脇を歩いていたら、前を歩いていた2人の若い女性が急に騒ぎ出した。何かと思って見た先にあったのは、大分空港で始めたような 回転寿司を模した「握り」ではなく…



一緒に騒いでしまいました!

空港からバスで天王寺へ。天王寺公園を歩けば…



万博の余韻があちらこちらに残っていました。

そして最初の目的、新世界の「床屋」頭をサッパリ✂️

次は「スマートボール」 今日は200円で『サクマのドロップ』が取れちゃいました。久し振りだったので 500円分くらいやりたかったかも…

そして「たこ焼き」を食べれば 午前中の予定が終了(なのに まだ10時半前!)。

小雨の中、電気街を歩いて難波まで。途中の中古(レンタル落ち)DVD屋を見れば、私の探していた大林宣彦映画が見つかるじゃないですか!1つは元の販売価格より高かったのでパスしましたが、別の1本は安かったので即買いでした。

難波が猛烈な混雑だったので、昼食を諦め、御堂筋線→阪急宝塚線と乗って、庄内まで。関西の定食屋さんがあったので、昼食。そのあと 目的の公演へ雨の中向かいました☂️



ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団 第67回定期演奏会


ザ・カレッジ・オペラハウス

14時〜


~音楽とお芝居、映像の新しいかたちのコンサート・オペラ~ 

👗F.J.ハイドン:歌劇『月の世界』全3幕・原語上演・字幕付 《関西初演》 


 

演出:井原 広樹 

ブォナフェーデ:桝 貴志 

エックリーティコ:清原 邦仁 

リゼッタ:村岡 瞳 

フラミーニア:野口 真瑚 

クラリーチェ:梨谷 桃子 

エルネスト:大賀 真理子 

チェッコ:谷口 耕平 

合唱:大阪音楽大学声楽専攻生

ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団

チェンバロ:梁川 夏子

指揮:粟辻 聡


ハイドンの歌劇『月の世界』全3幕を観るのはこれが3度目。2度目の公演のレポートは(↓)こちら。



この作品も 昨日のモーツァルトと同様、ハッピーエンドで終わるストーリーです。


座席は前から3列目のほぼ中央という、絶好の座席で観ることができました。


この公演は しっかりとした舞台を設えた、本格的な舞台でした。

そこで最も目を惹いた(効果的だった)のが、舞台背景の白幕に映し出された映像。

第1幕では、部屋の中央が開いて月と星空が見える背景で、星空の雲が出たり消えたり。そして 星が細かく瞬いていたり、流れ星がちゃんと柱で見えないところを消えて流れていく!めっちゃ細かい。そして第1幕の大詰めのブォナフェーデが睡眠薬で空中に浮遊していると錯覚する場面では、建物の部分がムンクの絵画のように撓んでいく!めっちゃ細かい。

月の世界の第2幕は、明るい昼間の庭園の空ですが、その空に様々な画が現代アートのコラージュの様に貼られて、めっちゃ鮮やか。そこを鳥が左右に飛んでいたり…

第3幕では、大きな月がドンと輝く背景で、第1幕と同様、流れ星が飛んでいました。

そして大詰めの背景が、エスターハーザー宮殿で締めたのも良かったです。

とても細かいところまで拘った背景を作っている様子がわかる舞台でした、


演出ですが、特に目を引いたのが、配役の並び順。なんと3番目に リゼッタ が置かれているのです。ところが この舞台を観ると納得。狂言まわし的役割を芯として舞台をまわしていました。

ところがそうすると納得のいかないのが、チェッコ。第1幕のエックリーティコとリゼッタとのレチタティーヴォの場面で、ひとり蚊帳の外状態を作るのですが、これが第2幕の月の王様として歌うアリアで、チェッコがそれまでの憂さ晴らし的に弾ける場面に納得ということ。そうすると 私的には チェッコはリゼッタの次に置かれるべきではと感じました。


そして 歌手たちは、場面展開で幕が閉まっている時の歌唱ばかりてはなく、舞台から下りて オーケストラと最前列の間の空間までを使っての演出は良かったです。


私的にとても嬉しかったのが、字幕が舞台後方の背景を映し出す幕の上部に出されたこと。これにより、視線を大きく動かさずに読むことができました。


音楽では、序曲で指揮者が煽りすぎて アンサンブルが乱れる場面があり、冷や冷やさせられましたが、舞台が進むにつれ、歌手とオーケストラとも馴染んできて、第1幕第2場からは抵抗なく聴くことができました。

歌手の7人は、それぞれのアリアでその人なりに(最初から、主題に戻ってから…など)装飾を加えての歌唱が聴けました。積極的な歌唱が聴けたのが、村岡さん、野口さん、梨谷さんという女声陣でした。

男声は主役級の2人は堅実な歌唱。

そして特筆すべきは女声8人の合唱。澄んだ真っ直ぐな若々しい声の美しさは月を超えて天国的でした。

そんな中で私が最も印象的だったアリア(歌)は(合唱の場面がすべて素晴らしかったのですが)第2幕のフラミーニアのアリア。野口さんの歌唱ももちろんですが、それと絡んだファゴットソロの素敵だったこと!


そしてもうひとつ、チェンバロの梁川さんの才気煥発さ!

第1幕の2場に移るところでは、幕を下ろして冒頭をチェンバロでの導入曲にハイドンのソナタの一片を使っていましたが、それだけで済みませんでした。
おもに レチタティーヴォに入る時、舞台の状況に合わせて、ちょっとした導入をはかるのですが、そこに、ヴィヴァルディやベートーヴェンを忍ばせてきたり(これなら想定内)したのですが、後半になるにつれて リヒャルト・シュトラウスやホルストまでチラリと聴かせてくる(その他、私の頭が追いつかない間に駆け抜けた曲、いろいろ)。それはもうワクワクの連続でした!

と、いうことで長々と書きましたが、極めて充実した内容の濃い舞台が楽しめました。大満足です。

下の写真は、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団のXからコピペした カーテンコールの1枚です。



ホールから出ると雨はほぼ止んでいました。



関東に比べると まだまだ暖かな大阪でした。

帰りは新幹線で帰宅です。