デフカーリング選手として活動している 松橋 早友梨選手に密着した ドキュメンタリー映画。
多摩川を渡って、キネカ大森まで観に行きました。
🎬Double Role ダブルロール

松橋選手のカーリングに向かう日常を淡々と追った作品。
この作品では、日本のトップレベルで活動するろう者のアスリートとしての、そして 1児の母としての、様々な思いがあぶり出されていきます。
ろう者って、健常者と変わらずに 接してしまうことが多いように思うのは 私だけてしょうか?
最初は松橋選手の家庭から。旦那さんもろう者。歩きはじめたばかりの子どもは聴者という3人家族が紹介されます。
次は カーリングの仲間たち。デフカーリングチームての活動ではなく、聴者との4人制カーリングチームでのコミュニケーションについて語られています。手話では十分な意志疎通ができないこと。健常者が話していると気になってしまうことなど… のインタビューがありました。
第2のテーマは、やはり ろう者の兄と組んだ ミックスダブルス。2022年、関東選手権で 準優勝。ところが日本選手権はコロナで中止。ただ、カナダで行われた世界ろう選手権で準優勝で帰国したあと、子どもが離れなくなってしまったという、母の顔も!
第3段落は、その兄と 準優勝報告を兼ねて、母校の「青森聾学校」を訪問する姿。恩師の温かい笑顔が、松橋選手兄弟を静かに応援する空気を伝えてくれます。
そして最後は、最初の映像から大きく成長した子どもの様子。ろう者の両親と保育園の先生とともに子育てを頑張る姿で この43分の映画は終わりました。
おもに3つのテーマを並列させたドキュメンタリー映画ですが、その中で 本人と絡んで出てくるのが、聴者の子どもの存在です。これってカーリングのドキュメンタリー?って思うと、外されます。ろう者の両親の元で 聴者の子どもを育てる という観点も同様に重心が置かれた作品と感じました。
完全なドキュメンタリーなので、俳優さんは一切出てきません!
カーリングが好きな方、ろう者理解に興味のある方に お薦めできる作品です。