日本センチュリー交響楽団いずみ定期演奏会 No.30~大阪の「奇蹟」を目指して | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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『京の冬の旅』で洛西から洛北をまわり、バスと京阪を乗り継いで京橋へ。

OBPでお腹を満たしたあと、今夜はコンサート。


日本センチュリー交響楽団
いずみ定期演奏会 No.30

「大阪の「奇蹟」を目指して」


いずみホール

19時~


指揮:飯森 範親(日本センチュリー交響楽団首席指揮者)
ヴァイオリン:郷古 廉




8-8-6-4-3の両翼配置。
後方ブロック(P列)中央で聴きました。両翼配置の掛け合いはちょっぴり注意しないと気がつかない位置ですが、音のバランスは文句なし。

最初の曲は
🎵ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
冒頭のティンパニの柔らかいこと! そのあとの管楽器のアンサンブルは無理のないpって感じは 少し音が大きいかも。そのあとの弦楽器の部分は またまた柔らかなpp。その後も行きすぎない細かな表情づけが生きた とても丁寧なオケの演奏で始まりました。
ソロが出てきてからは、もう圧倒。
音の正確なこと!
音の美しいこと!
音の豊かなこと!
普通の 過度な表情づけなどを行わない もしかすると普通の演奏と言われそうでもありましたが、『普通の演奏』の最高の演奏を聴くことができました。
唯一、聴いていてニヤッとさせたのは、第2楽章から第3楽章に移るところのカデンツァ。通常のカデンツァの中に、第3楽章の主題を散らしたのです。おしゃれ~ のひとこと!
倍音をもホールに響かせる郷古くんのヴァイオリンは、まるで方丈の縁側に座っていると 雨が降り始め 庭の椿の葉に光り輝く雨粒がコロコロ転がるのを見ているかの様。
それにピッタリと合わせた飯森さんとオケも見事でした。

アンコールは
♪バッハ:無伴奏パルティータ第2番~サラバンド
圧巻!

休憩のあとは チェンバロを加えて編成を小さく(6-6-4-3-2にファゴットがチェロとコントラバスの間に1)して
🎵ハイドン:交響曲 第18番 ト長調 Hob.Ⅰ:18
第2ヴァイオリンが主題を奏でて開始される第1楽章。シンコペーションの主題が印象的な アンダンテの可愛い曲。
展開部での第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンとの掛け合いが良かったです。
元気なアレグロの第2楽章。オーボエが第1ヴァイオリンとユニゾンで重なる。これをどう扱うのかがポイントでしたが、オーボエはヴァイオリンを少し彩る程度に抑えたのは ちょっぴり期待しすぎかも。ホルンの信号ラッパのリズムも印象的に響かせました。
通作の3部形式によるテンポ ディ メヌエットの終楽章。
短調のトリオは弦楽器をさらに刈り込み(3-3-1-1-1)ました。各パートをソロにするとバスの刻みを第2ヴァイオリンに与えている響きが薄くなると思われるので、この措置は納得。
とても説得力のある演奏を聴くことができました!

最後は、なんとチェンバロを加えたまま 
🎵ハイドン:交響曲 第96番 ニ長調 Hob.Ⅰ:96 「奇蹟」
第1楽章は序奏のあとの主部は今風の速めのテンポ。再現部でのホルンとクラリーノ(トランペット)との掛け合いが、左右に分けたそれぞれのパートの音色の違いが鮮やかに決まりました。ホルンの柔らかな音色が印象的でした。
ただ、ソナタ形式の後半も反復したのですが、前半とほとんど変わらない演奏であったのが残念。展開部の2小節のゲネラルパウゼを長めに取ったので 反復はない!と思ったのですが、反復をして、そこでも同じ…は…。
アンダンテの第2楽章は弦楽器で主題が提示されたあとの木管の美しい彩りは絶品。ここではチェンバロのおしゃれな音色が光っていました。
第3楽章のメヌエット。トリオのオーボエのソロが活躍。反復時の装飾を期待するも、それは無し。トリオのあとのメヌエットでティンパニが前打音的な装飾を加えていましたが、全ての音に加えていくのは ちょっぴりしつこい感じがしたのも事実。
小さくまとめられた第4楽章。ロンド形式かと思わせておいて…という仕掛け?を持っている。これって ハイドンのユーモア?と考えると、そのレベルって めちゃ高い楽章。ここも速めの演奏が気持ち良い響き。
チェンバロの入った ロンドンセットの交響曲の演奏は珍しいですが、交響曲98番にチェンバロパートがあるのを考えれば、この曲にチェンバロが入るのに何の不思議はない。そして今日の演奏を聴けばチェンバロの響きの美しさは 魅力的であることの証明!

今日は全3曲、見事な演奏に大満足でした!

今夜は天王寺の旅館でいい夢見て休みます。