ロームシアター京都プロデュース・オペラ「フィデリオ」 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今日前半の京都巡りの記録は(↓)こちらです😉

 


北山の寺院で芸術と風景を満喫して、ロームシアター京都へ送ってもらうと…

今日は正面の みやこメッセで成人式があり、艶やかな振り袖姿のお嬢様がいっぱい。今日平安神宮あたりを訪れた海外からの観光客は ビックリだったのでは?と思いました。


そして私は…


ロームシアター京都 メインホール

17時~

ロームシアター京都プロデュース・オペラ
「フィデリオ」セミステージ形式

HPのメッセージは
『注目の劇団「地点」の演出家・三浦基と下野竜也指揮・京都市交響楽団が初タッグ!
京都でしか観られない、新演出オペラ!

京都を拠点に活動する劇団「地点」の演出家・三浦基が演出を手がけ、常任客演指揮者の下野竜也が指揮する京都市交響楽団の演奏と京響コーラス、京都市少年合唱団の合唱により、ベートーヴェンのオペラ「フィデリオ」を上演します。』

発売当日に押さえた席は、13列(オケピ使用のため 実際上8列)左ブロックの内側。観るには文句なしの位置。

演出:三浦基
指揮:下野竜也
管弦楽:京都市交響楽団
合唱:京響コーラス、京都市少年合唱団
レオノーレ:木下美穂子
フロレスタン:小原啓楼
ドン・フェルナンド:黒田博
ドン・ピツァロ:小森輝彦
ロッコ:久保和範
マルツェリーネ:石橋栄実
ヤキーノ:糸賀修平
劇団「地点」:安部聡子、石田大、小河原康二、窪田史恵、河野早紀、小林洋平

舞台美術:杉山 至
照明:藤本隆行
衣裳:堂本教子
映像:小西小多郎
演出助手:太田麻衣子
舞台監督:幸泉浩司
副指揮:森 香織
コレペティトゥア:石野真穂
制作協力:地点
企画・制作:ロームシアター京都


幕前から背後の白いスクリーンに舞台から客席までを上部から映しながら動く映像が投影されている。
そして驚くべきことに、オケを舞台に乗せて(ヴァイオリンは両翼配置)、オーケストラ ピットを牢獄(演技する舞台のひとつ)に置いて、すでにそこには囚人服の一人が倒れているのが映像から確認される。
開演前から、舞台の説明が入っているという、この頃流行りのスタイルでスタートしました。

私的には、そこで客席も映していたので、それを上手く生かすのか(最後の開放のシーンで)と予想していたのですが、そこまでの読みはなく、残念。幕前のあの投影で期待した分は ちょっぴり肩透かしでした。
しかし、舞台にオケを上げ、オケの後ろにX字型に組んだスロープを持った1列の高さ3mほどの台だけで(あとは奈落と出入りできるオーケストラピット)の舞台は、演奏会形式と言うなかでは良く考えられたものでした。

また、最もユニークだった点は、歌手は歌(レチタティーヴォも)だけで、台詞を 劇団の男女各1人が舞台左右で(マイクで)語って劇を進行させました。
そのためか、歌手の演技が最小限に抑えられ、まるで能の舞台を観ているかのような 歌に集中できる、これぞ演奏会形式だ! みたいになっていたのです。
また、歌のない囚人の様子を劇団員がオーケストラピットで第1幕の間、動いたり 寝たりと演技している様子が投影されていたのもユニークで、オーケストラピットが見えない私の席からは、良かったです。
ただ、台詞の読みの女性の方が、品詞ひとつひとつを切りながら読むのには 閉口。最初は特定の役に対しての台詞かと思ったのですが、そうではなく、担当した全ての台詞を そのような独特の語りにしたのは 聞きずらさもあり、疑問でした。男性が普通に語っていたため なおさら。

歌手陣は皆、健闘。非常に高いレベルでの歌が聴けました。
私は特に、マルツェリーネの石橋さんの素直な発声が ベートーヴェンの音楽にピッタリで、第2幕最後のアンサンブルでも、フロレスタンにしっかりと合わせながら動く旋律が聴こえました。

そして このオペラでの圧巻は、これはLP,CDでも感動しちゃうところですが、今回も「レオノーレ序曲第3番」が挿入されましたが(ここで 舞台の背景に映像があったため、ダレることなく 舞台が進行したのが良かった)、そのコーダの所で 奈落(オーケストラピット)から、大人だけでなく、少年少女合唱団を加えた合唱団を舞台に上げたこと。それに続く最後の合唱は、もう 感動でした! 何しろ X字の通路と上に並んだ合唱団は、パートがいくつかのプロックになっていたので、それぞれのパートがいくつかの方向から聴こえてきたのが 音楽をさらにきらびやかにしていました。
これが聴けただけでも 来た甲斐があった!って感じです。

最後に、なんと両翼配置のヴァイオリン(12-12)がとても効果的でした。特にレオノーレ序曲では、音楽に集中できたこともあり、音の掛け合いと広がりが鮮やかに感じられました。

ロームシアターの開館記念公演。華やかで 関係者が居並ぶ独特な雰囲気でしたが、思いきった演出の 素敵なオペラ公演を存分に楽しむことができました。



新幹線で日記を書いていたら、あっという間に新横浜に着いてしまいました。充実しまくりの3連休最終日になりました。