昨日の高倉健さんの訃報には驚きました。中学生の頃に観た『黄色いハンカチ』で 北海道に憧れ、大学時代に北海道に入り浸りになったし、「南極物語」に感動し南極に憧れ、でも まだ行ってないですが。そして 私の琴線に完璧に当たった「鉄道員」は、別格的に大好きな大林映画を除けば 私的には最高にお気に入りの日本映画です。
さて 今日は仕事帰りに 新宿へ。
小倉 貴久子のモーツァルト クラヴィーアのある部屋 第14回
今日のゲスト作曲家は、Ch.W.グルック
Christoph Willibald Gluck [1714-1787]
近江楽堂
19時～
小倉 貴久子（クラヴィーア）
野々下 由香里（ソプラノ）
今日は声楽なので正面の後ろから２列目（と言っても７列あるかないかですから…）。ハイドン好きのお友だちとホールで待ち合わせ。今日は電車があちこちで乱れて行くのに大変でした。
今日の楽器は アントン・ヴァルターのコピーのフォルテピアノ。
曲はまず
🎵モーツァルト：小品 K.15b
可愛い小品。繰り返しでのお洒落な装飾や表情の変化がよくわかり 楽しめました。
ここでレクチャー
今日の音楽はモーツァルトの変奏曲を紐解くかたちで…と。変奏曲の元のオペラはオリエントが舞台なので 東洋趣味的な作品も 選んでみました。とのこと。
トルコ行進曲の最後の部分が グルックのオペラの序曲にそっくり現れたり…とか 興味深いレクチャーになりました。
🎵モーツァルト：アンダンティーノ K.236
グルックのアリアをピアノ曲にしたのてすが、主題だけでおしまい。きっと 変奏曲を途中で放棄したのでは？ とのこと。最後のモデラートペダルの柔らかい音が素敵でした。
ここからは野々下さんの歌で
🎵 グルック：「戦いの歌」「ああ、私のやさしい炎が」
オペラ作曲家らしい堂々とした曲と熱い曲。私の席では野々下さんの清楚な声とフォルテピアノがちょうど良くミックスされて届きました。
次はソロで
🎵モーツァルト：ソナタ 変ロ長調 K.570
私の大好きな曲。
小倉さんは 東方趣味が垣間見える曲とおっしゃっていましたが、私も昔からそう思っており、その雰囲気が好きな理由。
反復で表情を豊かに変えていく演奏は楽しめました。反復で音が増えた時に 不協和が鳴るのが 新鮮でした。フォルテピアノならではの温かい響きだからこそ！かもしれません。
続いて歌曲から
🎵モーツァルト：「鳥たちよ、年ごとに」「寂しい森の中で」「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき」
意外に モーツァルトの歌曲を聴いていないことが自覚できました。少なくとも１年は耳にしていない！
最初の２曲はフランス語。言葉から優雅に聴こえてしまうのは私だけ？
最後の『ルイーゼ』はドラマティックな曲。しかし、歌とピアノのバランスがバッチリで、フォルテピアノが歌を見事に引き立てていました。
休憩後は
🎵グルック：歌劇《思いがけない巡り会い》より序曲、「われら愚かな民の思うは」「見知らぬすてきな方」「あなたがあんなに突然立ち去ってしまわなければ」
なんと、野々下さんのストーリーの語りが入りました。それにより 歌の場面と内容が良くわかり、また ちょっとした演出まであり、とっても楽しめました。
「３曲だけではすくないよ～」って言いたくなる充実ぶりでした。
続いて
🎵モーツァルト：グルックの歌劇《思いがけない巡り会い》の「われら愚かな民の思うは」による10の変奏曲 K.455
そう！今 原曲を聴いたばかり！私は歌を聴いて 変奏曲とここが違う！とか思って聴いたのですが、それは現代の耳。本来は この順番で楽しまなくては…
それぞれの変奏をダイナミックに 思い切った表情の変化が素敵でした。
今日一番の熱い拍手になりました。
最後に
🎵モーツァルト：歌劇《フィガロの結婚》より「自分で自分が分からない」「恋とはどんなものかしら」
今までが地味な曲ばかりだったので、超有名曲で楽しく締めようって組み方かな
。
野々下さんも これは暗譜で自信を持った言葉を噛み締めるような余裕の歌唱が光りました。私が単に歌詞を知っているからかもしれませんが…
野々下さんと小倉さんの息の合った見事な演奏を堪能しました。
アンコールは恒例、次回のゲスト作曲家
フリードリヒ バッハの紹介。と 思っていたら、フリードリヒの代表作『キラキラ星変奏曲』にちなみ、その原曲が歌われました。フォルテピアノが３節あるそれぞれで変奏されたのが どこか聴いたことある！と感じたのは…
次回、キラキラ星変奏曲対決が またまた楽しみになりました。
帰りはやっぱり冷えてきましたね。昼はワイシャツだったのに、各駅停車でドア近くに座りたくない帰りでした🌉