~ロマンチックな音色~
伊藤深雪 フォルテピアノ リサイタル
霊南坂教会(赤坂)
19時~
フォルテピアノ:伊藤 深雪
≪フォルテピアノは1826年のグラーフのレプリカ≫
型もかなり大きく、古典派中心に聴いてきた私にとっては、「新しい楽器だぁ~」みたいな印象。
前半のプログラムは
🎵F.Mendelssohn:序奏とロンドカプリチオーソ
🎵F.Liszt:詩的にして宗教的な調べ
🎵F.Schubert:グラーツファンタジー
🎵R.Schumann:冬の季節
LisztとSchumannは聴いたことあったのですが、LisztはLP時代の完全に過去。「初めまして」に近かったですが、繊細な美しさで キラキラと輝く光は捕まえることができました。
Schubertは初めて聴く曲、っていうか 出典もなんか怪しい作品らしい。SchubertよりChopinに近く感じました。やはり 細かい音のひとつひとつが、小さな水玉がコロコロと転がっていくみたいで 綺麗でした。
このフォルテピアノ、私の率直な感想では Mozart時代のフォルテピアノと現代のピアノとの良いとこ取りって印象。弱音のペダルを使用した時の 優しく落ち着いた音色は、Mozart時代の繊細さが引き継がれており、低音を中心とした豊かな響きは 現代の楽器に通じるものがあると感じました。
後半のプログラムは
🎵R.Schumann:クライスレリアーナ
非常に丁寧なタッチで、楽器の響きを存分に響かせていました。「この作品 こんなにきれいな曲だっけ?」っていうのが率直な感想です。
私にとってみれば、Mozart時代の楽器が進化した その先を感じることができた。大満足の演奏会でした。
終演後、楽器の中を見てビックリ。なんと弦の上に響板があるじゃないですか。ダイレクトで大きな音を響かせる現代のピアノとは大きく異なるんですね。
この楽器は、伊藤深雪さんが 発注から12年かけて やっと手元に到着したというものだそう。これから伊藤さんのリサイタルなどで聴く機会があるかもしれません。
私は WeberやChopinのピアノ協奏曲を この楽器で聴いてみたくなりました。
ではこれから、私は西へ夜行で移動します。