第35回 鎌倉ゾリスデンコンサート:鎌倉芸術館 大ホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~巨匠か もどきか~

1月15日って やっぱり成人の日ってイメージなんですよね~
83年のこの日、午前中の成人式のあと行ったN響の演奏会が いまだに私の第1位。県民ホール3階の一番後ろで聴いたのに…

そんな 1月15日、今日は女子駅伝で京都に行きたいと思ったのですが、音楽会のチケットがあるので おとなしく…


第35回 鎌倉ゾリスデンコンサート 

15時~
鎌倉芸術館 大ホール


鎌倉芸術館は『鎌倉』って言っても 鎌倉でも北鎌倉でもない、横浜市まで歩いて5分の 大船駅そばにあります。だから行き帰りに、寺社への寄り道などの誘惑がない。
『鎌倉』なのにちょっぴり残念な立地。

この頃毎年聴いている 鎌倉ゾリスデン。 4-4-3-2-1とチェンバロという、小編成の弦楽合奏団ですが、メンバーは錚々たるもの。
ヴァイオリンには 徳永二男、漆原姉妹、川田知子、小林美樹とソリスト級がズラリ。
チェロの2人は 古川展生、向山佳絵子ですから。

まずは
🎵レスピーギ:リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲
弦の艶やかな音色が美しかったです。

続いて
🎵J.Sebastian Bach:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調
ソロは漆原朝子さん。
1つ1つの音をしっかり弾きこんでいきました。テンポはゆったり。第2楽章が絶品でした。
音を聴いたのは久しぶりのような気がしました。

前半はもう1曲
🎵J.Sebastian Bach:ヴァイオリン協奏曲第2番 ホ長調
ソロは漆原啓子さん。
フレーズの1つ1つを大きなアーチを描くように造形。その接続部分ではテンポを落としたりと、ロマンティックな演奏の第1楽章から魅力たっぷり。
昨年の『せんくら』で、チケットを譲って 藍川さんに行ってしまったのを思い出しました。やっぱり聴きたかったかも。

休憩の後は
🎵A.Vivaldi:『四季』
ヴァイオリンは徳永二男さん
インテンポでガッチリ締めてくる演奏。こんな演奏あったな~。昔 持っていたLP、ミュンヒンガーの指揮したやつ。
繰り返しフレーズでは小さな装飾を加えています。フレーズの入りを心もち早く入るのに、私はちょっぴり抵抗が…
そして過剰すぎるビブラートには、かなりの抵抗がありました。春の第2楽章、犬が吠える牧場にそよぐ風は、まるで 初夏の漁港に放置された売れない発酵しかかった魚を見つけた犬と、その上を流れてきたむわっとした風、って感じ。

ただ 秋などは一気呵成のインテンポの演奏も心地良いかも。
冬の第2楽章の、しっとり落ち着いたテンポでの演奏も 久しぶり。ロマンティックなバロックも 時にはいい。

でも この布陣なら、4人がソロで弾き比べして欲しかった。

そして アンコールは
🎵G線上のアリア
徳永さん 本当にG線1本で弾ききりました。前半後半 反復して、音の引きずり方などは、モノラル録音の『巨匠』を彷彿させる演奏。こんな演奏しちゃうなんて、今 いませんから~

徳永さんの音に酔った午後でした。