日本オペラ振興会『人材育成オペラ公演』~魔笛~テアトロ ジーリオ ショウワ | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~広い裾野に~

昨日とは打って変わって太陽光が眩しい日曜日。
今日は昼前にお友達とお茶したあと、新百合ヶ丘まで 移動。


日本オペラ振興会『人材育成オペラ公演』
W.A.Mozart『魔笛』 

14時~
テアトロ ジーリオ ショウワ

👗W.A.Mozart:歌劇『魔笛』

指揮:星出 豊
オーケストラ:テアトロ ジーリオ ショウワオーケストラ
演出:横山 由和


舞台は藤原歌劇団らしく、手抜きの無い しっかりした装置や照明。なので安心して観れる。

人材育成オペラとは、すでにオペラの舞台に立った経験はあるものの、本公演にはまだ手の届かない若手のための公演。ですから 演技、歌唱、ともに 相当な実力者揃いになっています。

チケットは先週の電話予約。中央寄りの希望で来た席は、なんと1階の一番前のド真ん中。目の前に星出さんの頭があるっていう席。良くもまあ残っていたと…
幸い 指揮者の頭は舞台より低い位置で邪魔にならず、ホッと。

私の席から見たオーケストラピット配置は、管楽器は両サイド後方。手前に弦楽器が左手手前から 第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラという並び。

今日の演出は極めてオーソドックス。台詞も短め。
そこから見えてきたのが、このオペラの最も違和感の覚えるストーリー展開。今日はかなり居心地が悪く感じました。
主役をタミーノとパミーナにはっきりと置いたこともあり、宗教的、道徳的観点が強く感じられました。こちらが本来の主旨ですが、パパゲーノを中心に置いたかのような演出の方が 私は好きなので…

今回は歌手全員がほぼ同じレベルで固めていたので、アンサンブルが見事。
特に見事な響きを聴かせてくれたのは、第1幕のパパゲーノとパミーナの二重唱と、第2幕のフィナーレのパミーナと童子の四重唱。 特に後者の後半の4人の音が美しかったのが印象的でした。

そしてもうひとつ光っていたのが、安定したテンポ設定。かなり遅めのテンポにして、言葉をしっかり聴かせたこと。歌手は、言葉はよいですが、 息が大変だったのでは… と。

それにしても 夜の女王が、例のアリアをいとも簡単に歌っていくなど、オペラ歌手の裾野の実力の高さには驚嘆することばかり。

このような素晴らしい歌手たちにも、もっと歌う場面が与えられたらいいのになぁ~ って感じた、今日の公演でした。