東京芸術劇場コンサートオペラvol.7:ドビュッシー/『放蕩息子』&ビゼー/歌劇『ジャミレ』 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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今日の午前中は仕事。瀬戸内の分の仕事日数の調整のため、ではない、とはいえない😅
で、漢字検定の試験監督をちゃちゃっとやって、急ぎ 池袋へ🚃💨


東京芸術劇場コンサートオペラvol.7

ドビュッシー/『放蕩息子』&ビゼー/歌劇『ジャミレ』演奏会形式(日本語字幕付・原語上演)

14時~
東京芸術劇場 コンサートホール


指揮:佐藤正浩
管弦楽:ザ・オペラ・バンド
コーラス:国立音楽大学合唱団


HPによる紹介文
・知られざるフランスオペラの名品を2本立てで上演決定!
『若きドビュッシーの天才的な閃きと魅力的なアリアや親しみやすい美しいメロディーに溢れた、ローマ大賞受賞作『放蕩息子』。実演を聴いたブラームスが「音楽そのものが全てにおいて素晴らしい作品」と激賞し、早世の天才ビゼーが『カルメン』、『アルルの女』などの傑作を残す晩年期に作曲した知られざる名曲、歌劇『ジャミレ』。芸劇コンサートオペラシリーズで2017年絶賛を博した『真珠とり』の続編として、待望の公演決定!』

珍しい作品を積極的に行う、このシリーズ。私には魅力的な作品が また企画されました。
今回は19世紀フランスの東洋趣味(イスラム文化趣味)を反映させた作品。

座席は1階4列目、上手ブロックの内側、通路の隣という、視界良好のオペラを観るには一番の座席。ただ、今日は演奏会形式。普通にオケが並び、その前方でソリストが椅子について、歌うスタイル。
字幕は舞台後方、オルガンを覆う反響板に横書きで投影。とても見やすかったです。

前半は
🎵ドビュッシー:カンタータ『放蕩息子』
配役
リア(母):浜田理恵
シメオン(父):ヴィタリ・ユシュマノフ
アザエル(放蕩息子):宮里直樹 
ドビュッシーがローマ賞に送った(授賞した)作品。つまりドビュッシーのデビュー作。
そのため、旋律がはっきりした、とても聴きやすい音楽。初めて聴きました。
でも、響きは既にドビュッシー! 前奏曲では交響詩『海』の香りが感じられました。
3人のソリストとも、不安な雰囲気漂う前半から、大団円のラストへ向かうという、状況変化を上手く感じさせる歌唱が見事でした。
35分ほどの作品。オーケストラコンサートでも十分(青ひげ公 と同じスタンスで)乗せられる作品だと思いました。

後半が
🎵ビゼー:歌劇『ジャミレ』
配役
ジャミレ(女奴隷):鳥木弥生
アルーン(王子):樋口達哉
スプレンディアーノ(使用人):岡昭宏 
こちらは、CDで楽しんでいた作品。しかし舞台では初めて。今日は照明を駆使した簡単な演技を加えた演出で観れました。

座席が前寄りだったので、全力で歌う3人の歌手の後ろのオケの存在は どこかへ飛んでいってしまいました。その歌手の3人の 終始fでの全力の歌唱、三重唱では『大声合戦か?』と思わせるくらい。私の席だと樋口さんが近かったので、優勢…って、どーゆーこと?
大変申し訳ないのですが、常にfで進められた音楽は、途中から単調に聴こえてしまい、耳が飽和状態に。間奏曲でpになった時の オケの音が どれほどチャーミングだったことか! これはビゼーの音楽か、指揮者か、歌手か、演出不在か、何が問題だったかはわかりませんが、ビゼーの無名な作品が、なぜ無名なのかを 音楽から証明するかたちになってしまったのは、残念。

そして、歌劇の公演では私が重視する ストーリーは、奴隷制に始まり、男尊女卑など、身分の上下を駆使した、不道徳に満ちた歌詞の連続。オペラだから通用するもの。

と、辛辣なことを書きましたが、ビゼーの本当に珍しい作品が聴けたことは、大収穫。エキゾチックな音楽は、真珠採りに引けをとらない魅力的なものでした。

ジャミレについては、2階席で聴いていたならば、歌とオケのバランスがうまく響いたかたちで届いて、印象も変わったかもしれません。

ということで…
今日はジャミレに急遽来られたお友だちに
「これこそ君が行くべき」
と 勧められ、流れに乗せられ、浅草へ 移動🚃💨

そちらは、またあとで…