日本フィル 特別演奏会『上岡敏之プロジェクト』:東京オペラシティコンサートホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~花冷えの花~

桜吹雪が美しさを醸し出すも、花冷えの首都圏。
今日もお友達とみんなで、昨日の音楽会の2日目に行きました。


日本フィル 特別演奏会
『上岡敏之プロジェクト』 

14時30分~
東京オペラシティコンサートホール

指揮:上岡 敏之
日本フィルハーモニー交響楽団
ヴァイオリン:郷古 廉


今日は舞台後方の、指揮者を眺める席で聴く(見る)予定でしたが、私のチケットを取るハズだったお友達が勘違いして、私のチケットを取っていないことが昨日発覚。今日は当日券で行こうとしたら 別のお友達により、日本フィルの事務局経由で、割引かつ良席を取ることができ、大感謝。
そして 本来入る予定だった 舞台後方のP席は、演奏上の都合で撤去。件のP席のお友達は 昨日とほぼ同じ位置に移動と案内。私としてはチケットを忘れられていて 結果オーライ。今日の席は21列目中央ブロック右端という、昨日とはまったく違った響きで、バランス良く聴ける素晴らしい位置。

まずは
🎵ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26 
ヴァイオリン:郷古 廉
音の開始がわからないような、超弱音で開始されるティンパニのトレモロは昨日と同じ。
昨日より後方に行った分、ヴァイオリンの音は小さくなり、オケは響きがブレンドされ まあるい音で届いてくる。昨日よりヴァイオリンの迫力は失われたものの、ヴァイオリンの語り口は良くわかるようになりました。
第2楽章では、テンポを適度に揺らし雄弁に語る。私としては もっと表情豊かに語るように、レチタティーヴォみたいに、演奏しても良かったような気もしました。
元気いっぱいの第3楽章は、華美にならず、1つ1つの音をはっきりと発音する、ガッチリとした演奏を聴かせてくれました。
伴奏のオケもメリハリの効いた素晴らしいもの。ソロに対して、柔らかく支えるのか、しっかり組み合わさるのか、厳しく対抗するのか、が明確に示されたわかりやすい表現が見事でした
今日は熱い拍手が鳴り止まず、アンコールには後半に繋がる
🎵R.Strauss:ダフネ練習曲から
可愛い曲が聴けました。

後半は
🎵R.Strauss:アルプス交響曲 作品64
昨日はどこかハラハラしながら聴く感じを覚えたこの曲、今日はまったく別の団体かと思える安定ぶり。見事な上岡アルプスを聴くことができました。
今日の席は、このような大きなオケ、多声部で細かい曲を、スコアを見ながら聴くには向いてないので、スコアは鞄に入れて視線は舞台に集中。
もちろんテンポ設定などは昨日と変わりませんが、 昨日 速くて単調と思っていた「登り道」から「小川」にかけて、楽器そのものの音色による色彩のパレットの多彩さと、細かい動きのニュアンス、さらに自然描写を意識した思い切ったアクセントがしっかり聴き取れました。
そして壮大な「頂上」では、オケ全体が、これがハ長調の響きだ、と言わんばかりに思いっきり鳴らしているのが 気持ち良かったです。
後半も、昨日の「嵐の前」の不安げだった演奏も 今日はしっかり。もしかして不安げな方が「嵐の前」だから良かった? って推測は考えすぎか。
「嵐」も今日の席だと、前半に出てきた様々な動機が、オケの中から見え隠れするのが、自然で良かったです。
「日没」以降のグッとテンポを落としての上岡節、スコアを見ないと こちらはちょっぴり単調に聴こえる部分が気になりました。その原因は管楽器が最弱音で演奏するも、どうしてもppにならずpレベルになってしまうため、表情が浅くなってしまう。それに比べ 最弱音を自在に引き出せた弦楽器の豊かな表情との段差が目立ってしまったこと。しかし 今日は安定したなめらかな音楽に大満足できました。

終演後、お友達とともに昨日に続いての楽屋訪問。CDへのサインの他、お友達は昨日の写真を大きくプリント、それにもサイン。
上岡さんの温かい笑顔に次回の来日時の演奏会にうかがうことを約束し、楽屋をあとにしました。

その後は夕食を兼ねたお茶会。
今日は宮城、兵庫、埼玉、神奈川から集合。楽しい話が咲きました。